今回はちょっと興味深い文献を読んだので書きます。
内容としては弾性タイツが静脈還流を上げるかどうかというような内容です。
弾性タイツはご存知の方も多いと思います、最近はスポーツの分野でも頻繁に見かけるし、医療用にも多数開発されているようです。
簡単に言えば
ピタっとしてギューっと締め付けられるきつめのタイツ
みたいなやつです。
皆さんも起立性低血圧の患者さんに対して弾性包帯や腹帯などを使用して少しでも血圧の低下を防ごうとしたことがあると思います。
イメージ的にはそれの協力版って感じがしますよね。
さて、ではその効果はどうなんだってことで、その文献では健常者を対象に弾性タイツの有りと無しでの色々なパラメータの変化を調査しています。
また、運動負荷方法は直立姿勢での自転車エルゴメータと座位でできるリカンベントタイプのエルゴメータの2種類で比較しています。
予想としては静脈還流が増加することで循環が良くなってパフォーマンスが上がるのでは?
と思います。
結果ですが、まず酸素摂取量に関してはATでも最大負荷でも有意差はありませんでした。
しかし、近赤外空間分解分光法という方法で外側広筋と腓腹筋外側頭のヘモグロビンの変化をみると、腓腹筋の外側頭でのみ筋内の酸素飽和度が上昇していました。しかし、これも最大負荷時には有意差はなく中等度以下の運動負荷時のみです。さらに、直立姿勢のときのみです。
そもそも弾性タイツは下(下腿)はピチってしてて圧迫が強く、大腿部にいくにつれて少しずつ圧迫が弱くなるグラデーションがかかっている構造になります。なので、大腿部にはそれほど効果がないのは構造上当然と言えます。
最大負荷の時は筋の血流は安静時の10倍以上に跳ね上がるので、特に今回の対象となっていた健常者では弾性タイツの影響なんて関係なくなるのでしょうね。
これが末梢循環のすごく悪い人だと違う結果になっていると思います。
健常な人は血流量をなんぼでもあげられるので酸素の抽出力は上げる必要がありません、つまり動静脈酸素較差を上げる必要がないんですね。量でまかなえちゃう。
しかし、ASOとかPADと呼ばれる末梢循環の悪い人たちは量が増やせないので限られた血液から少しでも多くの酸素を抜き取ってどうにか酸素を維持しようとします。
これは他の研究からも明らかとなっていて、ASOとかPADの診断の材料にもなっています。
結局今回の結論としては
中等度以下の軽い負荷であれば直立姿勢でのみ酸素飽和度が上昇する
ということ。
直立姿勢のみで座位姿勢では上昇しなかったというのは、より静脈うっ血の強い姿勢であるからと推察されます。
静脈還流を上げることで酸素摂取量なんかには影響せずに下腿の筋の酸素飽和度が上昇する。
なかなか面白いと思います。まだ私の中でも知識不足で消化しきれていない部分はありますが、我々が対象とする末梢循環の悪い患者さんへの運動処方の一助となるかと思います。
以上です。
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