【音響都市伝説】ステージ・PA編-3 | Pro Tools Chips

Pro Tools Chips

体系化して書くのが面倒なので、思いついたときにアップする断片的なTips
基本自分の環境(iMac 2.6G/4M 10.5.7 PT8LE 002Rack)以外での検証はしていません。

舞台「サンキューシャクダカネ。ケコム?」
照明「シモニヲ、チョイカミデ、ア、スギタ。」
音響「パッチデテレコダ!ファントムキッテ!」
楽器「1960ニ2000ノセテ16デ。」
監督「ゲネチョイマキデハジメマス。」

仕込み中のステージ上は素人を拒絶する空間。




















------------
解説

舞台「3尺×9尺の平台を使って、箱馬で1尺の高さに。周りを布で覆いますか?」

平台
Pro Tools Chips

箱馬
Pro Tools Chips

サンキュウは感謝しているわけではなくて、よくある平台のサイズ。3尺×9尺のサイズのもの。一番よく使われる3尺×6尺のものはサブロクと呼ばれている。平台の厚さは4寸(0.4尺)なので、これに箱馬の一番低い置き方(6寸)と組み合わせれば、高さが1尺の雛壇(ひなだん)を作ることが出来る。客席から見ると、箱馬や隙間などが丸見えになるので、客席から見える3方向に布を張ることをケコミ(蹴込み)という。

ちなみに建築用語では蹴込みは階段の踏み板の下の隙間のこと。


照明「(4灯くらいかたまっている場所の)客席から見て左から2つめを、右側に向けて下さい。あ、行き過ぎました(ので、戻して下さい)」

こんなイメージ

Pro Tools Chips


音響「(マルチボックスとミキサを繋ぐ)短いXLRケーブルの接続の2つが逆になっている!(つなぎ替えるので、ミキサに付いているコンデンサマイク用の)電源スイッチを切って下さい。」

テレコはそのままテープレコーダーという意味で使われることもあるけど、舞台用語としてはABをBAにする、もしくはその状態の事を言う。元々は歌舞伎で関連性のある演目を交互に行うことから来ている。
ファントムはバランス接続の音声ラインを使って電源を送る方式のこと。一般的には+48Vのものがよく使われている。電源ケーブルがないのに電源が送れてしまうことからファントム(幽霊)という名前が付いている。


楽器「マーシャルの1960というキャビネットの上に、同じくマーシャルのJCM-2000のヘッドを乗せて、16オーム端子で接続して下さい」

マーシャル(Marshall)は主にギターアンプが有名な楽器メーカ。他人と違うことに生き甲斐を感じるギタリストを相手に、定番として使われ続けているのは凄いとしか言いようがない。一番よく使われるキャビネットが1960

Pro Tools Chips

ヘッドは様々なものがあるし、2000というのは不正確ないい方だけど、楽器レンタル業者は定番とするのは数種類でそのうちの一つがDSL-100WのJCM-2000

Pro Tools Chips

真空管アンプとの組み合わせなので、キャビもアンプも通常16Ωと4Ωのインピーダンスが選べるようになっている。音質が多少異なることは確かだが、ギタリスト()が力説するほどの違いはない。通常音がなめらかになる(と信じられている)16Ωで接続しておけば文句は出ない。


監督「本番と同じように進行するリハーサルを少し早めに始めます。」

ゲネはドイツ語で総合通し稽古を意味するゲネラールプローベを省略したもので、ゲネプロとも呼ばれる。リハーサルと異なり、全く本番と同じ手順で進行するもの。音楽モノの場合は、(アーティストがだれるので)ゲネでも曲の頭と最後だけ演奏して時間を短縮することもあるが、これは厳密な意味でのゲネではない。