Lara Allet et al:The influence of stride-length on plantar foot-pressures and joint moments.Gait&Posture.34.300-306.2011
【はじめに】
関節モーメントは歩行を理解する上で重要な因子として認識され、さらに歩行速度は関節モーメントと足底圧力に影響を与えることが知られている。歩行速度を一定に維持することは、グループ間での快適歩行速度の影響をなくすための戦略と言える。しかし、歩行速度が制御されている場合においても歩行速度に対応するために、異なるストライド長-ストライド頻度の組み合わせを選択することができてしまう。
【目的】
ストライド長が足底圧および関節モーメントに与える影響を検証すること。
【方法】
健常者20名(20〜30歳、 肥満度指数(BMI)が18〜25の間、 脚長が80〜100cm間)とした。
歩行分析のために、仙骨、外側上顆、外果、踵骨および第5中足骨頭に位置する反射マーカーは、足部、上下肢の加速度を検出するために用いた。仙骨部のマーカーはSF(Stride frequency)を決定するために用いた。またビデオにて、矢状面からマーカーの位置を記録した。Force platformおよびpressure platformを使用しそれぞれ1000Hz、50Hzでサンプリングした。
被験者は事前に決められた1.3m/sの歩行速度で歩行した。
各被験者は、快適なSL(Stride length:SL0)、 SLを10%減少させた(SL-10)、SLを20%減少(SL-20)、 SLを10%増加(SL+ 10)、SLを20%増加(SL+ 20)で歩いた。
SF(Stride frequency)は、5つの条件に応じて一定の速度を維持するようにされた。
計算されたステップ長は、スコッチテープのストリップ?によってコース上に視覚化された。リズムと速度はメトロノームによって調節された。
正確なSFとSLを使用した正しい接地位置を確保した条件で5施行を測定した。
【結果】
最大股関節伸展モーメントを除く全ての関節モーメントは、有意にSLに影響を受けた(P <0.05)。 SLを減少させると、立脚期の約40%での足関節底屈モーメントは約10%減少し、足関節の最大モーメントは約5%減少した。最大膝屈曲モーメントは、快適なSLで最大であった。最大股関節屈曲モーメントは(SL-20)で28%増加し、(SL + 20)で10%減少した。
PTI(足底圧の時間積分値)は、より長いSLで有意に増加した(p <0.001)。増加範囲は、基準値の母趾で約27%、中足骨で14%であった。
より短いSLは前足部と足趾で約20%以上、踵と母趾で約60%も減少させた。しかしながら、第1と5中足骨で(44%および12%)、中足部で(225%)、および第3-5足趾で(128%)有意に増加した。立脚期は、SLの減少(+ 20%から-20%)により相対的な時間が減少することを示した(P <0.001)。具体的に、この相対的な立脚期の持続時間は、より短いSL条件で50%、より長いSL条件で70%であった(Table1)。
足底圧のピーク値は、SLの減少により低下することを示した。ピーク値は踵、中足部と足趾で有意に影響を受けた(p <0.001)。具体的に、 SLを20%減少させたことで、踵での足底圧のピーク値は約13%減少、中足部および足趾で約15%減少した。 20%SLを増加させると、踵の下のピーク圧力が36%増加した(Table2)。

この結果から
ストライド長を増加させると立脚後期に母趾に荷重がされやすい。
逆に言うと、ストライド長が減少していると踵、前足部、母趾および足趾の荷重はされにくく、中足部および第3-5趾止まりとなってしまうことがわかりました。