茜川莉奈
およ？
七條純夏
・・・・・・
茜川莉奈
し、七條純夏さん・・・
のこぎり持って、何をなさっているの？
七條純夏
見て分からないか？
家を作っているんだ
茜川莉奈
・・・木材で？
七條純夏
手作り感がいいだろう？
茜川莉奈
は、はぁ・・・そうですか
七條純夏
僕はこういう作業が得意でね
茜川莉奈
そうなんだ～なんだか意外。
刃物は似合いそうなんだけどね～
七條純夏
よく言われるが、皆のイメージしている
刃物は日本刀ではないか？
茜川莉奈
あ、そう！日本刀が似合いそう！
着物とかも！
七條純夏
・・・僕が皆の目に、犯罪者予備軍として
映っていないことを祈ろう
あかねがわん
わんっ！
りにゃ～
にゃっ！
茜川莉奈
本当に得意なんだね～。
サクサク作業が進んでる～
七條純夏
得意じゃないものを得意という
必要性を感じない。
それでは単なる嘘ではないか
茜川莉奈
そりゃそうだけど・・・
そういう作業って得意不得意あるでしょ？
七條純夏
そうかな？・・・考えたこともない
茜川莉奈
さいですか・・・
あかねがわん
わんっ！
茜川莉奈
あ～まだ近づいちゃだめだよ～。
木くずがたくさんあるから汚れちゃうよ！
あかねがわん
わふ・・・
七條純夏
掃除するまで待ってくれ
あかねがわん
わんっ！
茜川莉奈
七條くんと意思疎通が上手くいってるのね、
わんちゃん・・・
七條純夏
できたぞ
茜川莉奈
お～、すごい～時間的にも早いし、
形もしっかりしてる！
七條純夏
ちゃんと鑢もかけて、角を落としてあるから
怪我をすることもないだろう
茜川莉奈
七條くんの意外な一面ですな～
七條純夏
ふん
あかねがわん
ZZZ・・・
りにゃ～
ZZZ・・・
茜川莉奈
あら？寝てる
七條純夏
まだ寝かせておこう。
掃き掃除もしておかないとな
茜川莉奈
ねぇねぇ、七條くん！色塗らないの？
七條純夏
色？
茜川莉奈
ペンキでぬりぬりしない？
色が付いたら可愛くなりそうだし
七條純夏
何を言う。
家が可愛い必要はないだろう？
茜川莉奈
そ、そう？
七條純夏
木目が美しいじゃないか
茜川莉奈
そ、そっか・・・
七條純夏
それに、ペンキで塗りたての家に入って
数時間したら犬も猫もぐったりしてしまうぞ
茜川莉奈
なんで？
七條純夏
塗料の成分が動物に優しいとは思えん。
よく聞く話だが、
犬の家を日曜大工で父親が作り、
母親と子供たちが色を塗って、
強引に犬を家の中に放り込み、
しばらくしたら犬が塗料にやられて、
足元が生まれたての小鹿のようになっていたそうな
茜川莉奈
ほ、ほんと！？
七條純夏
試したことはないから都市伝説かも知れんが、
溶剤とか塗料は中々に危険だ。
嗅覚が優れている動物には避けた方がいいだろう
茜川莉奈
七條くん、動物には優しいんだね・・・
七條純夏
語弊がある言い回しをしているようだが？
茜川莉奈
その通りの意味ですもん。
わたしに厳しいですもん
七條純夏
さて、掃除でもするか・・・
茜川莉奈
逃げるなっ！
いぬとねこ＃５に続く・・・。