熊:「眠い。何かたくさん寝てるのに眠い」
藤:「春眠暁を覚えず……などというのとは、 違うよな」
熊:「一応統合失調症だからな、
薬を飲まなくちゃいけないんだけど、
それを飲むと強烈に眠くなるんだよ」
藤:「飲まなきゃいいじゃないか」
熊:「僕もそう思うんだけどさ、
家族が納得しないからちゃんと飲むことにしている」
藤:「一年で死ぬかもしれないんなら、
飲んで眠くなっている場合じゃないのにな」
熊:「まあまだ時間があるからな。何とも言えないよ」
藤:「で、今日は一体何なんだ?」
熊:「僕の仕事なんかもそうなんだけどさ、
朝から仕事に出て、
夜も仕事をしてってやっていると、
着替えや風呂に入るために
わざわざ家に帰るのが面倒臭くなるんだよ。
だからさ、夜遅くに作業着とかスーツとかを借りれて、
その服をそのまま返すと
洗濯しておいてくれるようなサービスがあれば
いいんじゃないかと思ったんだ」
藤:「何かブラック企業に
手を貸すようなサービスじゃないか?」
熊:「ニーズはあると思うんだ。
このサービスをやれば、
もしかすると自分の服を持たない人も
現れるかもしれないし」
藤:「値段にもよるだろうけれどもな」
熊:「これをお風呂付でトラックでやったりすれば、
どこの場所でも対応できるけれどもな。
まあ、まずはオフィス街でそういうトラックを置いておくのが
現実的なのかな」
藤:「風呂付トラックは
工事にお金がかかりすぎるだろうから、
軽のワゴンでできそうな作業着とかスーツだけを
貸す方が良さそうだな」
熊:「電話一本で移動しながら服を貸せば、
良さそうだけれども、クリーニング代込みで、
1000円でやれれば現実的なのかな?」
藤:「まあ、そんなもんだろうな。
本当はビジネスホテルとかに備え付ければ、
一番良さそうだけどな。
服を返しに行くのが面倒臭いというのもあるから、
小包一つで服を返せるシステムも作らないといけないだろうな」
熊:「普通のスーツや作業着を貸すのも一つあるけど、
土日ように私服を貸し出すサービスとかもあってもいいのかもな。
女の人なんて結婚式のためだけのドレスとか、
何着も用意できるわけないだろうしさ」
藤:「まあ、おめかし用の服を
貸し出すサービスはもうありそうだから、
新しく開拓するとなると夜の女の人用にするしかないんだろうな」
熊:「そうすると、なるべく他の人と
衣装をかぶりたくない人もいそうだから
管理が大変かもしれないけどな」
藤:「しかし、こういうサービスがあると、
究極は自分の家がなくてもよくなって、
住所がないサラリーマンとかが出てくる可能性があるよな」
熊:「…まあ、その時はその時なんじゃないの?」