世にも奇妙な世界! | 吐露アンプリファー

世にも奇妙な世界!

久しぶりに料理つくろうかな~って思って三ヶ月ぶりくらい開かずの炊飯器開けたら、そこには世にも奇妙な世界が広がっていた。

 その空間は、私の部屋のさらに炊飯器の中という物理的制約を受けながらも、あたかも私の部屋、ひいてはこの現世の制約から解き放たれ独立した時空間の中で今まで息をひそめながら自然と膨張を度重ねてきたかのようにひっそりと、しかし荘厳に存在していた。

 白いマユのような固形物質が炊飯器内側一面に張り付いていた。さらに、炊飯器の中という乾燥した世界にも関わらず、その空間とは不調和な赤橙色の液体がつい先程放たれたかのように生々しい閃光を放ちながら流れ出ていた。その新鮮な光を放つ液状物質は、新鮮という言葉とは対極に、この世の終わりを思わせるかのような毒々しさを持っていた。

 久しぶりに体よりも先に脳細胞が危機感を覚え、とっさにその炊飯器を洗い場に持って行き、そこに洗浄液をぶちまけた。洗浄液の最上面の層に浮かび上がったものは自然と目をそむけたくなるような、ひどいものであった。

 その洗い終わった炊飯器で飯を炊こうかどうか迷ったが、腹をこわしてもあかんということで無難にハンバーグを食いに行った。
 炊飯器で飯を炊いたあとには水につけとかなあかんという教訓を学んだ。