こんにちは、メンタリストKOUです。
今日は、少しだけ真面目に書いてみる。
近年、欧米化の影響もあってか個人的な感覚だが自己啓発分野が
爆発的に流行ったような印象を受ける。
これを読んでいる「あなた」は、違った印象を受けているかも
しれないし、そんなこと考えたこともないかもしれない。
もともと日本は精神論的な指導を得意とする。
というか、そのような傾向にあったと言えると思う。
よくいう島国というのが関係しているかどうかはわからないが
個というより組織やコミュニティーにおいての価値観
一体感で行動する国民性であることは世間体という言葉や
今までの流行を見ると明らかだ。
しかし、数年でネット社会化が進み
価値観が変わり、個に重きをおく流れがではじめた。
これまで疎まれてきたカウンセリングや精神医療が急激に
受け入れられ「何にでも病名がつく時代」になった。
これは、個性を尊重する時代の弊害なの
かもしれないが私は一抹の疑問と違和感を覚える。
また、この流れに比例するように自己啓発や
個性を引き出すような分野の流行や流れが出来始める。
ティーチング一辺倒だった日本の傾向を
否定するように、カウンセリングやコーチングといった
個を重視した手法がもてはやされるようになってきた。
しかし、ここで気になるのが
カウンセリングやコーチングが万能であるかのような
間違った傾向と「こうすればうまくいく」といった単純に見せる
風潮があるということだ。
また、カウンセリングとコーチングの
違いもよく考えて欲しい。
カウンセリングは現状をプラスに変えるものではなく
マイナスをゼロに近づけるものであり、コーチングは
ゼロからプラスに感じさせる、もしくはプラスにするための
プロセスを指し示すものだ。
これは「簡単なものではない」
相手の話に耳を傾け、承認欲求を満たし、優しく接していく。
それはコーチングではないし、ましてやカウンセリングでもない。
そして、コーチングはあくまでも
「プロセス」にフォーカスしていることを忘れてはならない。
コーチングとはあくまでも
「クライアントの中にある目標やゴールを主軸に、
対話をし、考え方、知識、スキルに応じた行動を支援しながら
効果的に結果を出すプロセスを支援、促進していくこと」だ。
言葉にすると簡単なようでも
これはすごく難しいと言わざるおえない。
特に、流行に乗ってコーチと名乗っている
人たちのスキル不足は目も当てられない状況だと認識している。
最近は企業まわりでもコーチングスキルの
研修を多く見受けるが、そもそもそんな簡単に
コーチングスキルが身につくはずがない。
むやみにアドバイスをせず、効果的な質問をして
相手の意見や考えを引き出し整理させ、気づきを誘発し
行動&考えを変え目標を達成させる。
これは、そもそも相手の中に目標があり
その目標を達成させるための行動変容を促すための気づきを
質問や対話によって明確化していき引き出していくのであって
「目標や目的がない」人や現状どうすることもできない人
そもそもやる気のない人には逆効果になる場合がある。
コーチングの対象となるのは
あくまでやる気(意欲&能力)があり
自身の中に答えがあるのになかなかうまく
いかない人や行動が伴わない人ということ。
これを読んでいるあなたは、もうお気づきだろうが
何回かセミナーを受けたり、数日研修を受けたところで
できるようになるレベルの話ではないのだ。
コーチングの入り方ひとつ取っても
ペーシングやミラーリング、相手の考え方の傾向など
認知パターンをある程度、観察し把握したうえで対話を
しなければ有意義なコーチングをすることはできない。
むしろ、付け焼き刃でコーチングすることは
逆に相手を悩ませたり傷つけかねないのだ。
ビジネス現場でのコーチングなどは特に注意が必要だ。
それが相手のやりたい仕事ではない場合は下手に刺激すると
どうしようもなくなる。
そういう人に対し、答えなければならない質問という
形で意見を要求してしまうとネガティブな返答をされて
しまう可能性があるからだ。
実際、そうは思っていなくても
一度口に出してしまうと相手は「そう思い込む」ため
より一層問題を大きくしてしまう危険性がある。
そもそも、このような人に必要なのは
ティーチングでありコーチングではないのだ
ということを理解しなければならない。
また、コーチングはあくまで個別が原則。
グループコーチングというのもあるが、これは厳密には
コーチングではない。
人の行動を変えようというのだから時間もかかる
ため安易に時間のない案件で行うことも避けるべきだ。
このようにコーチングは
答えがない人間に無理におこなったとしても
それはただの誘導尋問か気持ちの悪いお節介になる。
相手を追い詰めてしまうくらいならやらないほうがましである。
職場環境の空気や仕事に対する姿勢を
変えたいのならば、極端に聞こえるかもしれないが
それはコーチングではなくリフレーミングやマインドコントロール
してしまうのが一番だ。
ランチョンテクニックやピグマリオン効果などを使い
効率的に慣れさせ、ミラーニューロンに訴え掛けていく。
ある程度の緊張感を持ち、習慣化させていくと人は慣れるものだ。
個人的な意見を言わせてもらうと
人の傾向や行動を左右するテクニックは様々ある。
コーチングのようにある程度、体系化された手法は
確かにわかりやすく簡単なようにも思えるだろう。
しかし、それはデリケートで専門色の強い手法で
あることを肝に命じなければならない。
おわり