実生活の記憶がない4年間で、よく覚えていることがあります
正確には、覚えている。というより、見ていた。です
ある日、
「あなたの苦しみや悲しみを全部私が引き受けてあげる」
と言う女の子が現れました
その女の子の名前は「さくら」でした
私はどん底にいたので、この苦しみを引き受けてもらえれば楽になれると思い、さくらに全部引き受けてもらうことにしました
この時、私は、私の身体から出された感覚があり、自分の身体の外の右上から自分を見る「傍観者」になりました
代わりに私の身体の中にさくらが入りました
胸の真ん中に灰色の狭い部屋があって、小さい窓と出入り口があります
ひとりしか入ることができない部屋で、そこにさくらが入りました
私は見ているだけで、何もできない存在になりました
苦しみを引き取ってもらったはずなのに、私はあまり楽になれませんでした
そして、苦しみを背負わせてしまったさくらがかわいそうに思えてきました
「さくらを殺してしまえば、さくらも楽になるし、私の苦しみも消えるかもしれない」
と思い、私はさくらを殺しました
どうやって殺したのかは覚えていません
そして、さくらのお墓を建てました
さくらのお墓は、私の身体の外の左上にあります
お墓に入れたはずなのに、さくらはお墓の中から這い出てきました
そして、お墓の横に座って、私の身体をずっと見ていました
次に灰色の箱の中に入ったのは、美々子という女の子でした