中司善久先生による「アパレル概論」
大手アパレルにてデザイナー、マーチャンダイザーのキャリアを30年積み上げられた中司先生より
「アパレル概論」についてお話いただきました。
そもそも当たり前に使っている「アパレル」って何?
『アパレル(apparel)とは、衣服のことである。広義に靴やアクセサリーなど、服飾全般を指す。
また下着や1部寝具なども含まれる。日本では、アパレルメーカーの略語としても使用される。』
ということでした。なんとなく使っていた言葉。
中司先生よりお話いただいたことは、
「パーソナルスタイリストとして何を知っておかなければならないのか!」
の入口の部分。
入口のある場所を教えていただいたけれど、自ら学ばなければ
入口は開かないしプロとして認められることはない世界です。
私は25年百貨店に勤務しており、アパレル業界のお客様に1番近い部分にいました。
婦人靴、ハンドバッグ、婦人用品、婦人服と担当しましたがそれぞれの業界によって
商品の動きはかなり違っており売場を変わるたびに驚きました。
百貨店で販売する商品が発注して納品されるまで、納品のタイミング、店頭展開の時期、
品切れ商品のフォロー体制・・・
同じ婦人服であってもお取引先によっても全然違います。
百貨店に商品が届くまでの仕組みを、今回は大手アパレルで中心にいらした先生に
お聞きすることができました。
大変勉強になり、また今まで疑問だった部分がクリアになりました。
また今回のお話の中で「素材」の知識がすごく重要であると改めて認識しました。
百貨店でお客様との接客のなかでも「素材」と「お手入れ方法」は必ずお伝えします。
最近ではとくに「生産国」についてのお尋ねが多かったです。
素材は本で学ぶよりまず手に取ってその質感、肌ざわり、光沢などを体感することこそが
大切ですので今まで行ったことのないショップにもどんどん入って手に取って素材感を
体感したいと思います。
そして「素材・洗濯表示・生産国」についてですが、
素材表示のラベルをこれからはじっくりチェック!!!
百貨店では月に1度、素材表示が正しい表記で正しい場所につけられているかのチェックがありました。
素材表示の方法はとても細かく決められています。(家庭用品品質表示法)
洗濯表示もルールがあります。
今までは販売する側として、チェックしていましたが
これからはお客様にそこまで説明できるプロとしての知識が必要です。
せっかく気に入ってお買い上げいただいたのに、お洗濯方法を間違ったために
着られなくなってしまった、ということなく長く美しく着ていただくために。
喜んでいただくために![]()
【家庭用品品質表示法】
家庭用品品質表示法は、一般消費者が製品の品質を正しく認識し、
その購入に際し不測の損失を被ることのないように、事業者に家庭用品の品質に関する表示を適正に行うよう要請し、一般消費者の利益を保護することを目的に、昭和37年に制定されました。
本法が制定された当時は、表示に際しての具体的なルールが一般化されておらず、市場に不適正な品質表示の製品が横行し、消費者被害の発生する可能性が高い状況でしたが、その後、本法施行の効果もあり適正な品質表示が定着してきている状況です。
家庭用品は、生活スタイル、ニーズの変化や技術革新等により様変わりしてきており、
対象とする品目や表示を行う事項等については、こうしたことを踏まえ、必要に応じて見直しが行われています。
詳しくは消費者庁のホームページに掲載されています。
http://www.caa.go.jp/hinpyo/index.html
そんな中司先生によるPSJ8期第一回目の授業は、アパレル出身ではない私にとって非常に刺激的なものでした。何となく知っているようで実はよくわかっていないこと、例えばSPA(ファストファッション)について。
SPAとは「Speciality store retailer of Private label Apparel」
代表的なものは一般的にもよく知られているGAP, ZARA, FOREVER21, H&M, ユニクロなど。しかし自分でも調べてみるとそれ以外にもワールドの「INDIVI」、オンワード樫山の「ICB」など、恥ずかしながらファストファッションとして今まで認識していなかったSPAブランドがたくさんありました。SPAは大量生産方法もブランドによって大ロットや小ロット等それぞれの戦略があります。流通や生産の仕組みは一見ファッションセンスとは直接関係のないものに見えるところがありますが、それ自体が社会を動かし、価値観を変えてしまう程の影響力(ファッションにおける一億総中流意識など)、また、逆に社会情勢からの影響(糸や皮が採れない、工賃のコストを抑える為今後は中国からアフリカへ、など)もあり、これらを知らずしてお客様にファッションセンスをのたまうなど到底出来ないなと思いました。
中司先生はこういった大まかな木の幹の部分の他にも、もっと身近で使える知識も伝授して下さいました。例えば靴。靴だけは良いものを履け、とは一般的にも知られていることですが、でも「良い靴」とはどのような靴なのか。中司先生によると、まず「バランスの良い靴の選び方」として、8万のスーツに対して5万の靴、スーツカンパニーなどの2.9万のスーツには2.5万の靴、など、豊富な知識を現場で体得された説得力のある細かい分析を通して伝えて下さいました。それに加え「非常に良い靴」エドワードグリーン、ジョンロブ、ウェストンなど10万以上するものは、良い靴だが日本の気候では勿体無いとのこと、「バランスの取れている靴」としてクロケット&ジョーンズ(5万円前後)など、女性の私でも思わず紳士靴を買って履いてみたくなるほどたくさんのお話をして下さいました。
パーソナルスタイリストとして得意不得意はあったとしても、異性であるメンズファッションの知識を持たずして「プロ」を名乗ることは出来ません。私たち女性に対して、メンズファッションを勉強する為のモチベーションをより一層高めて下さった中司先生に深く感謝いたします。


