
《ハラール対応フードとは?》

宗教上の理由で食に制限の多い、イスラム教徒(ムスリム)の方でも食べられる食事のこと。
アルコールや豚肉などが、ムスリムが食べてはいけないものとして有名ですが、例えば豚の油が入っているため乳化剤やゼラチンもNG。
つまり、マヨネーズなどの調味料やケーキにも、イスラム教の聖典クルアーン(コーラン)の教えを犯してしまうかもしれない危険が潜んでいるのです。
《日本人には関係ないと思っていませんか?》

実は世界中で、最もムスリムが多いのはアジア地域。
さらに、2015年には1500万人の外国人観光客が訪日しているということも事実です。
最近は東京の街中で、ヒジャブと呼ばれる布を髪にかけた女性を見かけることも珍しいことではなくなりました。
ムスリムが安心して食べられる「ハラール対応の食事」を提供できるレストランやカフェが、今必要とされているのです。
《ハラールをもっと日本へ広めていきたい。》
こんな思いから、4月19日に「オリーブディナーパーティー~世界平和は食から始まる~」を開催。
平和の象徴である「オリーブ」と、同じく平和の意味合いがある「イスラム」を掛け合わせ、ムスリムも日本人も安心して美味しく楽しめるディナーを提供しました。


《会場は浅草のSEKAI CAFE。》

会場は浅草・雷門から仲見世通りを50mほど進んだ場所にある「SEKAI CAFE」。(⇒)

普段は、世界中の人が食べられるお料理を提供しているカフェです。
ハラール対応はもちろん、アレルギー対応、ベジタリアン対応のメニューが豊富に揃っているので、食の制限に関わらずご飯を楽しむことができるのが魅力。
《登壇者のご紹介》

武井一仁氏(レストラン「ル クール・ハート」代表取締役)
今回のディナー・スイーツを提供していただいた足利市のレストラン「ル クール・ハート」のオーナー。(⇒)
食べて美味しい、そして心にも身体にも優しい。たった一口で温かく幸せな気持ちになれる、本物のスイーツを世の中に届けています。
ローマ法王にオリーブスイーツを献上した経験を持つ、繊細な心とプロフェッショナルな技術を兼ね備えた実力派パティシエ。

高橋敏也氏(一般社団法人メイドインジャパン・ハラール支援協議会理事長)
日本のムスリム・フレンドリー化と、日本企業のムスリム市場への海外進出のサポートを行い、おもてなしの国としての日本を成長させるための取り組みに尽力。(⇒)
また「ソーシャルおじさん」の異名を持ち、facebookをはじめとするムスリムが集まるコミュニティへ沢山の有益な情報を毎日届けています。
《この日の為に創られた、ル クールのオリジナルディナーとスイーツメニュー》

・ハラールチーズとオリーブコンフィチュールのカナッペ。
・引き売り女子 菅谷晃子さんの有機大豆豆腐と早取りトマトのカプレーゼ。オリーブジェノベーゼソース。
・ハラールチキンと春野菜。オリーブ・リーフのポトフ。
・オリーブ・リーフのパエリア ル・クール スタイル。
・オリーブ・リーフと有機レモンのハニードリンク。

・米粉と豆乳のオリーブ・リーフ シフォン。薔薇のコンフィチュール添え。
・その場で創る出来立てオリーブ・リーフソルベ。
《ディナーを食べつつ、オリーブとハラールについて学ぶ。》
…登壇者のお二人のお話から、印象的だったものをまとめました。
~オリーブの葉には、ストーリーがある。~


ル クールでもSEKAI CAFEでも大人気の「オリーブティー」は、廃棄の対象であったオリーブの葉をそのまま砕いたものを使用しています。
武井さんが使っているオリーブの葉は、埼玉福興農園というところで栽培されたもの。
障がい者の方が葉摘みを手作業を行っているのですが、緑に触れることによって精神が安定し、回復力が高まるのだそうです。
またオリーブの葉は「抗酸化作用」などの優れた効能があり、肩こりや花粉症などの症状の緩和にも役立ちます。
オリーブの葉は、様々な観点から平和実現の可能性を秘めているのです。
~ムスリムが暮らし易い日本へ。~

私たちが普段何気なく口にしている食べ物は、実は化学調味料だらけ。お菓子が1ヶ月以上持つのも、これが原因なのです。
「乳化剤が入っているから、誕生日の時もケーキが食べられない。」そんなムスリムの悩みに触れ、高橋さんはハラール対応のケーキをムスリムに届ける仕組みを考えついたそうです。
さらに化学調味料を使わないハラール対応の食事にすることは、話題のオーガニックと近いものがあります。ムスリムだけではなく私たちの健康にもポジティブな影響があるのです。
「ハラール対応は、日本人が食べても安心・安全な食事」という考えを日本に広め、ムスリムにもっと安い価格でハラールフードを提供していきたい、と語っていただきました。
《お土産コーナーには、ル クールでしか手に入らない商品がずらり。》

オリーブティーや、ディナーにて使われたオリーブドレッシングや薔薇のコンフィチュール、シフォンケーキ以外などの商品がずらり。どれにしようか?と手に取る参加者の方が沢山いらっしゃいました。
《交流会の様子》

参加者の方は、真剣にお話に聞く姿がとても印象的でした。
また積極的に質問をする方の姿も。

当日は北海道から浅草にいらした方にも、飛び入り参加していただきました。
学生さんと社会人の方も、それぞれ交流を深めていたようです。

《オリーブを通じて、「ハラール」という言葉が日本で当たり前に使われる世の中に。》

ムスリムにとって住みやすく、居心地の良い日本を目指し、私たちはこれからも取り組みを続けていきます。
