追記:2020/12/27
Speechlessの歌詞の冒頭の部分、
「Your love is magical, that's how I feel」について、
読者の方からのコメントにより分かったことに基づいて、
翻訳を調整しました。

DMM英会話の解説にはこうあります。

magical は、「不思議な」または「魅力的な」を意味する形容詞です。 
非常に特別でエキサイティングな品質の何かを説明するために使用されます。

(追記終わり)

 

 

 

 

Speechlessは、曲、歌詞、プロデュースに至るまで、

マイケルが全てを自分だけで手掛けた作品です。ですから、

 

あの厳しい試練の渦中でリリースしたアルバム「INVINCIBLE」の中でも、

この曲は、マイケル当人にとって、極めて個人的で、

特別に深い思い入れのある作品であることは間違いないと言えます。

 

 

彼の最後のショー「THIS IS IT」の中で、Speechlessの歌詞の一部を

アカペラで歌っているシーンがありましたね!(^^)!

 

 

  

 

 

 

 

まずは、歌詞をざっと見てみましょう。

 

(ブックレットの歌詞カードやファンサイトでよく見られる翻訳)

 

『君の愛は魔法のようだね、それが僕の正直な気持ちさ
けれど、それを上手く説明する言葉が出てこないんだ
この熱い思いを言葉にするには、君は美し過ぎるよ
けれど、君へのこの思いを何とかして言葉で表現する方法が
きっとどこかにあるはずさ


でも、言葉が出てこない、何も言えなくなる 君が僕にそうさせる
僕は君と一緒にいても、どこか遠くにいるようで、現実じゃないみたいだ
君と一緒にいると、言葉を失って、何を話していいかわからなくなるよ
僕の頭は回転木馬のようにグルグル回るだけ 

僕は静かに神に祈るんだ....

 

胸の内では、無力で絶望的だと感じている
何もかもが幻のように思えてくるけれど
神様が僕の味方でいて下さるなら、不可能なことはないんだよね
君と一緒にいる時 僕は光の中に居るんだ
そんな時の僕は、聖地に立っているような気持ちになる

君を目の前にすると、僕は言うべき言葉を失ってしまうよ
君と寄り添っていても、君が遠くに感じられて
目の前の君がふっと消えてしまいそうなんだ
君の顔に触れられるなら
僕はどこへでも行くし、どんなことだってするよ
どんなに高い山だって登ってみせる
君の美しさにひれ伏しているからさ....』

 



マイケルがこの曲を書いた経緯について、MJファンサイトでは、

このように説明されていました。

 

 

  ¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨

 

  Michael Jacksonを聴く夜に

 

(抜粋)

> 「マイケルはこの曲についてインタビューで答えています。

「Speechless」はマイケルがドイツ滞在中に、たくさんの子供達と水風船投げ

をして遊んだ日に書かれたものです。
大勢の子供たちと盛大に楽しんだ後、すごく幸せな気持ちになって、

急いで階段を駆け上がって部屋に入り一気に書き上げたのだそう。

 

マイケルは、「このことはあまり言いたくないんだけどね。だってほら、

ロマンティックな曲だからさ。」と付け加えています。<

 

 

 

また、MJ作品を説明したジョセフ・ボーゲル著「コンプリート・ワークス」

という書籍にはこうあります。

 

(J・ボーゲルの著書417pより)

>Speechlessは、MJがドイツに滞在中、子どもたちと遊んでいる時に書いた。

 

(MJ)「二人の可愛い子ども達、一人は男の子、一人は女の子なんだけど、

本当に無邪気でね。」と、マイケルは2001年のインタビューで語っている。

 

「まるで純粋という言葉をそのまま形にしたみたいなんだ。

一緒にいると、僕は、全く言葉が出なくなってしまった。

二人を見るたびに、神様の顔を見ているような気分になって。

二人からインスピレーションを受けて書いたのが「Speechless」だよ。」<

 

 

 

さらに、ボーゲルの言う「2001年のインタビュー」とはこれのことでは

ないかと思われる、2001年10月26日「GetMusic.com と RollingStone.com

 による約1時間のチャットで、マイケルがファンに応えた」、

という記録があります。

 

  Legend of Moonwalk ”アルバムINVINCIBLE”


>ニューアルバムの中でマイケルが気に入っている曲は、"Unbreakable", "Speechless", "Lost Children" とのこと。

 

"Speechless" については、

「僕は、よく森で過ごすんだ。 そこにいるのが好きでね。 

木のてっぺんに登って木々を見下ろしていると、音楽が沸いてくるんだよ。

2人の子供たちがやって来てね。彼らは本当に無邪気で純粋だよ。 

彼らがいるだけで、まさに speechless、言葉を失ってしまう。 

彼らを見ていると神の存在が判る。 

それが僕に、"Speechless" を創らせたんだ。」<


 

このように、諸説は似てはいるものの、どういうわけか微妙に一致しません。

 

とはいえ、マイケル自身がインタビューでこう語ったというのですから、

多くのMJファンが、この曲は、MJが子どもたちにインスパイア―され、

子どもたちへの気持ちを歌った曲だと結論したのは無理もないことでした。

 

 

しかし、このブログの検証記事を読まれてきた読者の方はご存知の通り、

マイケルが公に語ることの多くは真実ではなく、与えられた台本通りか、

または、やむを得ず事実を隠すために語られた言葉でした。

 

とはいえ、彼の作品そのものは別です。

 

しかも、多くの作品の中でも、Speechlessの場合、

全てを自分だけで手掛けた作品でした。

 

言い換えれば、他の者には触れさせずに制作した作品だったことから、

極めて個人的で、特別な想いが込められていたに違いないのです。

 

極めて個人的なので、ファンに対しては「真実を伏せる必要があった」

とも言えるかもしれません。

 

あの時点で、ファンが真実を理解するのは、到底無理なことだったからです。

 

 

しかし、このブログでは、可能な限り、真実に近づきたいと願っているので、

今日の記事では、Speechlessの歌詞をじっくりと分析してみたいと思います。

 

マイケルは、この曲で、どんな真実を語ろうとしていたのでしょうか。

 

 

    ¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨¨

 

「Speechless」の歌詞の分析

 

マイケルが「君」と呼んでいる人物とは、誰のことか?

 

 

この曲に登場する人物は、「マイケル」と「君」だけです。

それ以外には、「神」に言及していますが.....。

 

 

の愛は魔法のようだね、それが僕の正直な気持ちさ。
けれど、それを上手く説明する言葉が出てこないんだ。

 

 

アカペラで始まるこの印象的な歌詞の中の「」とは、公表された説明に

あったように、「マイケルが遊んでいた子どもたち」のことを

指していたのでしょうか。

 

或いは、「マイケル自身の3人の子ども達」のことだったのでしょうか。

 

 

 

もし、そうだとしたら.....

 

マイケルは、この曲の中で何度も、「君に対して感じていることを

上手く説明する言葉が何処かにあるはずだ」と言って、

語るべき言葉を探しています。

 

そして、彼は、模索しながらも、曲の中で、

幾つか、「君に対して感じていることを説明する言葉」を語っています。

 

どの表現にも、非常に重要な意味があるはずですが、

その中でも、曲のサビの部分での説明には、とりわけ重要な意味が

込められていたに違いありません。

 

歌詞のサビの部分で歌われている以下の描写に注意を向けてみましょう。

 

君の顔に触れられるなら、僕はどこへでも行くし、どんなことだってするよ
どんなに高い山にだって登ってみせる

 

この重要な説明の部分の「君」に、「マイケルが遊んでいた子どもたち」

を当てはめて考えてみてください。

 

マイケルは、子どもたちの顔に触れることができる

状況にありました。

 

子ども達の顔に触れるのに、高い山に登ってみせなければならない、

ということはありませんでした。

 

また、考えてもみてください。

 

子ども達の顔に触れるためなら何でもする、何処へでも行くし、

どんなことでもすると切々と熱唱する大人の男性は、

 

いったいどんな男性ですか?  

 

 

君の顔に触れられるなら、僕はどこへでも行くし、どんなことだってするよ
どんなに高い山だって登ってみせる

 

この説明からすると、この場合の「君」とは、マイケルにとって、

 

顔に触れることさえ出来ない、「君の顔に触れたい」というささやかな

願いを叶えることさえ不可能な状況にある、

 

そのような「人物」を指していることになります。

 

 

この説明は、歌詞の別の部分の説明、例えば、

 

胸の内では無力で絶望的だと感じている
全てが幻のように(または、現実ではないように)思えてくるけれど
神様が僕の味方でいて下さるなら、不可能なことはないんだよね

 

この説明とぴったりと合致します。

 

つまり、こういう意味ではないでしょうか。

 

君の顔に触れることさえ不可能な状況が続いている、

内心では無力で絶望的で、君との思い出さえ現実ではないように

思えてくるけど、もし、神様が味方で助けてくださるなら、

きっと願いが叶う日が来るはずだよね?

 

 

他方、あの時点で、子ども達と触れ合うことが、マイケルにとって、

幻のようで現実的ではないというのは不自然な描写であり、

 

子ども達と触れ合うことに関して、無力で絶望的だと

感じるような状況ではなかったと言えます。

 

ですから、この曲で歌われている「君」とは、

「子どもたち」のことではあり得ません。

 

この曲の中の「君」が、マイケルの熱愛の恋人(大人の女性)で、

彼女と全く会えない状況に置かれていたとすると、

 

次の部分の説明の意味も見えてきます。

 

僕は君と一緒にいても、どこか遠くにいるようで、現実じゃないみたいだ
君と一緒にいると、言葉を失って、何を話していいかわからなくなるよ
僕の頭は回転木馬のようにグルグル回るだけ

(そんな時)僕は静かに神に祈るんだ....」 

 

ここで、「君と一緒に居ても」と語っているのは、

以前に接触した時の場面を思い出しながら、今、一緒にいるかのように

想像している場面であると理解できます。

 

会いたいと切望しながら、何年も会えない状況にあったのだとしたら、

確かに、出会ったことさえ現実ではなく、幻のように感じるというのは

理解できますし、

 

もし、いざ、当人を目の前にしたら、何から話し初めたらいいのだろう、

頭が混乱してしまうのではないかと思ったとしても、不思議ではありません。

 

 

むしろ、これは、アルバムの中の他の曲、例えば、歌詞も歌唱も、

会えなくなった恋人への切なすぎる気持ちがストレートに伝わってきて

胸を打つ「Don't Walk Away」と調和しています。

 

この曲では、「君」の笑顔を最後に見たのは随分前のことだと説明しています。

 

 

また、「Heaven Can Wait」で、恋人への熱愛をストレートに表す

シンプルなメッセージと圧倒的でうっとりするような情熱的な歌唱や、

 

[Butterflies」で描写された「片思いのドキドキする繊細な気持ち」と調和します。

 

また、「Heartbreaker」で歌われているように、人をじらして、

彼女はどういうつもりなんだ!という苛立ちの気持ちの表現とも合致します。

 

「Invincible」でも、(この曲では、マイケルは恥かしがり屋ではありません。)

なかなか彼のものにならない彼女に対する自信に満ちた思いを歌っています。

 

どの曲も、他の誰も真似できないような、圧倒的にピュアで力強く、

威厳があり、ストレートで情熱的でシンプルな熱愛のメッセージです。

 

マイケルは、アルバムのコンセプト(全体を貫く観点、考え方)を

大切にするアーティストでした。

 

アルバム「INVINCIBLE」は、一人の大人の男性が、

熱愛の恋人に対して感じた様々な感情を、包み隠さず何もかも正直に

ストレートに表現したラブソング集の傑作だと思います。

 

 

 

もう一つの誤解

 

君の愛は魔法のようだね それが僕が君に対して感じていること

でも、(それがどういうことなのかを)説明する言葉が見つからないんだ

 

この歌詞の次の独特の歌詞に注目してみます。

 

コレです。

Gone is the grace for expressions of passion

 

アルバムのブックレットの翻訳では、こんな意訳になっています。


この熱い思いを言葉にするには、君は美し過ぎるよ

 

MJファンサイトによる別の翻訳では以下の通り。

 

・「この熱い気持ちを言葉にするには、あまりに尊い

 

・「高まる感情を表現したらこの優しい気持ちもどこかに消えてしまう


・「あなたの尊さをを、この溢れる想いを表現できない

 

 

これらの翻訳、意訳は、原文と比較して適切だと言えるでしょうか。

 

マイケルの言葉(原文)はこうです。

 

Gone is the grace for expressions of passion

 

一個一個の単語の意味を確認してみます。
 

辞書によると、

gone は、過ぎ去った、消えてしまった、いなくなった、(人が)死んだという意味。

goneは過去分詞、形容詞とありますが、MJは名詞のように使っています。

 

grace は、優雅さ、優美さ、上品さ、美しさ

 

expressions は、 言い回し、言い方、(言葉や動作による)表現

 

passion は、情熱、愛情

 

ですから、「Gone is the grace for expressions of passion

をシンプルに翻訳すれば、

 

行ってしまった(消えてしまった)情熱の表現の優美」ということになります。

 

 

ブログ管理人が思うに、シンプルに、

これが、マイケルが言わんとしていた意味だと思われます。

 

マイケルは、MILKさんからの手紙の中の言葉、言い回し、言い方、

(言葉や動作による)表現に強く惹かれていたと思われるからです。

 

それが、彼のもとに届かなくなって、久しくなっていたので、

「Gone = 行ってしまった(消えてしまった)」と表現したのだと思われます。

 

 

 

もう一つのとても重要な歌詞

 

「When I'm with you I am in the light where I cannot be found

It's as though I am standing in the place called Hallowed Ground」

 

君と一緒に居る時の僕は、僕には得ることができない光の中にいるんだ
そんな時、僕はまるで、神聖な場所に立っているような気分になるんだ

 

 

じつは、「You Are My Life」の歌詞の中でも、「」という単語が使われています。

 

君が僕を光のもとに連れ戻してくれた」と語っています。

 

Speechlessで語っている「」と、You Are My Lifeの歌詞にある「」は

同じ意味を持っていると推測できます。

 

「まるで神聖な場所に立っているいるような気分になる」という描写から、

この「光」という描写には、聖書が関係していると理解できるからです。

 

マイケルが語り残したこの重要な歌詞の意味については、

次回の記事で分析します。

 

 

今日の記事の最後に、

 

英語が全く堪能ではないブログ管理人の翻訳による

Speechlessをお贈りします!(^^)

 

 

 

 

 

 

 

Speechless
written by Michael Jackson

Your love is magical, that's how I feel
But I have not the words here to explain
Gone is the grace for expressions of passion
But there are worlds and worlds of ways to explain
To tell you how I feel

 

君の愛は不思議で魅力的だね それが僕が君に対して感じていること

でも、それを説明する言葉が見つからない

 

行ってしまった情熱の表現の優美.....

 

でも、説明するための方法になる言葉があるはずなんだ

僕がどう感じているかを君に伝えるために

But I am speechless, speechless
That's how you make me feel
Though I'm with you I am far away and nothing is for real
When I'm with you I am lost for words, I don't know what to say
My head's spinning like a carousel, so silently I pray

だけど、僕は言葉を失ってしまう..... 
君が僕にそう感じさせるんだ


僕は君と一緒にいるけれど、実際には遠くに居て、何もない


君と一緒にいる時は、僕は言葉を失って、

何を話していいかわからなくなるよ
僕の頭は回転木馬のようにグルグルと回ってしまう

だから、僕は静かに祈るんだ

Helpless and hopeless, that's how I feel inside
Nothing's real, but all is possible if God is on my side
When I'm with you I am in the light where I cannot be found
It's as though I am standing in the place called Hallowed Ground

内面では、無力でどうすることも出来ず、絶望的に感じているんだ

現実には何もないのだから、

でも、もし神が僕の味方なら、不可能なことはないんだよね


君と一緒に居る時の僕は、僕には入ることが出来ない光の中にいるんだ
そんな時、僕はまるで、神聖な場所に立っているような気分になる


Speechless, speechless, that's how you make me feel
Though I'm with you I am far away and nothing is for real
I'll go anywhere and do anything just to touch your face
There's no mountain high I cannot climb
I'm humbled in your grace

言葉が見つからない、言葉では表現できない 君は僕にそう感じさせる
僕は君と一緒にいるけれど、現実には遠くにいて、何もない


君の顔に触れられるなら、僕は何処へでも行くし、どんなことでもする
(君にたどり着けるなら)どんな高い山にだって登って見せる
君の優美に僕はひれ伏してるんだ


Speechless, speechless, that's how you make me feel
Though I'm with you I am lost for words and nothing is for real
Speechless, speechless, that's how you make me feel
Though I'm with you I am far away, and nothing is for real
Speechless, speechless, that's how you make me feel
Though I'm with you I am lost for words and nothing is for real
Speechless



言葉が見つからない、君は僕にそう感じさせる
僕は君と一緒にいるけれど、言葉を失って、現実には何もない
言葉では表現できない、君は僕にそう感じさせる
僕は君と一緒にいるけれど、実際には遠くにいて、何もないんだ
言葉が見つからない、君は僕にそう感じさせる
君と一緒にいても、僕は言葉を失って、現実には何もない

 

You are always in my heart 

speechless

君はいつも僕の心の中に居る


Your love is magical, that's how I feel
But in your presence I am lost for words Words like,

like,  "I love you"

君の愛は不思議で魅力的さ、それが、僕が君に感じていること
でも君の存在の前では、僕は言葉を失なってしまう


その言葉とは、例えば......例えば.......「愛してる」