このシリーズの最後の記事です。
第一次大戦が開始されたころ、戦争の興奮状態に乗じて、
米国の証人たちにも激しい攻撃が加えられていました。
主流のキリスト諸教会の僧職者たちの扇動により、
エホバの証人の聖書文書は捜索令状なしに押収され、
証人たちの多くが投獄されただけでなく、
暴徒に追い回され、殴打され、重傷を負うなどの激しい迫害を受けていました。
さらに1918年5月、米国で、ものみの塔協会の会長J・F・ラザフォード
を含む統治体の成員全員がスパイ容疑で逮捕され、投獄されました。
1918年11月、戦争が終わると、それらの偽りの起訴状は全て取り下げられ、
1919年、被告人全員が釈放されました。
https://wol.jw.org/ja/wol/d/r7/lp-j/1101993040
それ以降、この小さな組織を潰すことはできないと悟ってから、
悪魔は、第二次世界大戦を開始することにより、
エホバの証人たち各自の信仰に対する主な攻撃の舞台を
ドイツを含むヨーロッパに移し、集中攻撃の標的にしたことになります。
とはいえ、悪魔が戦時を利用し、悪魔の地上の分子たちを用いて総力を上げても、
この小さな小さな組織を潰すことが出来なかったことは、
この組織には「エホバ神の是認があった」ということを物語っています。
英国スタッフォードシャー大学の歴史学教授クリスティーン・キング博士は、
ナチスとエホバの証人の戦いを描いた動画の中で、
強制収容所内の証人たちについて、次のように語っていました。
(33分~)
「証人たちを覚えていない(強制収容所の囚人たちの)生存者など、
見たことも聞いたこともありません。
(生存者たちは)皆一様に同じことを言います。
ごく小さなグループで非常に目立ち、
囚人服に紫色の三角形をつけていました。
生存者たちは、彼等が食べ物を分かち合い互いに世話をしたことや、
他の囚人たちに進んで話しかけ、助け、支えた様子を語ります。
確かに、人々の心に焼きついているようです。」
動画:「エホバの証人 ナチスとの戦いの記録」
この動画は、1994年、米国ホロコースト記念博物館で開かれた
『エホバの証人に対するナチの猛攻撃』に関するセミナーの模様を
映し出しています。
このセミナーを主催したのは、ドイツ、米国、英国の歴史家たちでした。
動画で証言した学者たち
この動画に限ってみても、エホバの証人のナチスとの極めて特異な戦いと、
証人たちがナチスに勝利した事実を知る歴史家たちがこれほど多く存在し、
多くの強制収容所の生存者たちの証言があるにも関わらず、
語られて然るべきエホバの証人の生き方の記録が、
現在に至るまで殆ど知らされていないのは、どうしてだと思われますか?
現在の支配体系の頂点にいるのは悪魔であり、
悪魔を崇拝する分子たちが、悪魔の意向を第一にして情報を操作し、
世界情勢を演出しているからです。
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◇多くの人々の目には見えていない真実の世界情勢
クリスティーン・キング博士は、ナチスとエホバの証人の
道徳面での戦いを分析してこう語りました。
(動画の4分20秒~)
「ご存知のように、証人たちは死に至るまで、じつに堅く立ちました。
それも、単なる死ではなく、拷問による恐ろしい死です。
ある親衛隊は、死刑囚独房で賛美の歌を歌っていた証人たちに、
「お前らをロードローラーで押しつぶすこともできるが、
お前らを黙らせることはできないだろう。」と言いました。
彼等は徹底的に押しつぶせば、エホバの証人の信仰や忠誠や勇気を
沈黙させられると考えましたが、何をやっても上手くいきませんでした。
エホバの証人は、最初から声を一つにして大胆に語りました。
ひと際強い勇気をもって語ったのです。」
エホバの証人が、激しい攻撃にもひるむことなく、
強い勇気をもって大胆に語ったこととは何だったのでしょうか。
1942年6月8日、フランツ・ドロズグという名の一人のエホバの証人は、
ナチスの兵士に銃殺される数分前に、
親友に向けて、以下のような手紙を書きました。
https://wol.jw.org/ja/wol/d/r7/lp-j/2001849
「親愛なる友へ。ルペルト、今日、死刑を宣告された。
悲しまないでくれ。君と君の家のみなさんに愛を送る。
神の王国で会おう」。
『フランツは、何故処刑されたのでしょうか。
スロベニアのマリボルにある民族解放博物館の記録によると、
ドイツの準軍事的派遣隊(ベーアマンシャフト)への入隊を拒否したからでした。
彼は、聖書のイザヤ2章4節にのっとって行動し、
神の王国の一臣民であることを宣言して、(マタイ 6:33)
ナチの戦争努力を支持しませんでした。
フランツは、多くの困難があったにもかかわらず、1942年の5月に捕らえられる
まで、中断することなく(神の王国の)良いたよりを宣べ伝えていました。』
米国ニューヨークの国連の壁に、聖書のイザヤ2章4節の言葉が刻まれています。
そこにはこう書かれています。
『彼らはその剣をすきの刃に、その槍を刈り込みばさみに
打ち変えなければならなくなる。
国民は国民に向かって剣を上げず、彼らはもはや戦いを学ばない。』
「剣をすきの刃に打ち変えている像」
エホバの証人は、イザヤ書にある神が定めた「戦いを学ばない」という原則を
忠節に支持することにより、
神の王国の臣民の一人であるということを、行動で示してきました。
エホバの証人にとって、「上位の権威」、つまり、「政府」の命令に服することは
クリスチャンとしての務めです。(ローマ 13:1)
しかし、神の律法に違反するよう政府から強要される場合には、
「わたしたちは、自分たちの支配者として人間より神に従わねばなりません。」
と述べた、1世紀のキリストの使徒たちの模範に倣います。(使徒 5:29)
その結果エホバの証人は、部族間の敵意や民族間の憎しみのために
恐ろしい残虐行為が行なわれている世界のどこにあっても、
ナチスで苦しみを忍んだ証人たちのように、平和を追い求めてきました。
それゆえに、今も世界中の証人たちが、良心的兵役拒否の立場を貫いています。
韓国では、約70年近くに渡り、証人たちが兵役を拒む立場を貫くゆえに、
軍務以外の奉仕活動の機会を与えられることなく、
犯罪者と見なされ、投獄されてきました。
しかし、2018年、韓国の最高裁で、その扱いは憲法違反に当たるとする
画期的な判決がくだされました。
NewsWeek
◇「エホバの証人」投獄は違憲と韓国憲法裁判所
良心的兵役拒否は基本的人権の一つ
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/07/post-10524.php
また、聖書のダニエル書で預言されていた現在の(そして最後の)
「北の王」と考えられるロシアでは、ロシア正教会の扇動のもとに、
ロシア当局が、エホバの証人に対してテロリストを取り締まる法律を適用し、
あからさまな憲法違反を犯して証人狩りを続行しています。
NewsWeek
◇「エホバの証人」を執拗に狩るロシア
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/05/post-10278.php
『国際的な人権専門家によれば、ロシアによるエホバの証人の扱いは、
明らかな人権条約違反だという。
ヒューマン・ライツ・ウォッチは声明のなかで、以下のように述べた。
「ロシアは、欧州評議会(人権等に関する活動を行う欧州組織)の一員であり、
ヨーロッパ人権条約の締約国でもあるため、信教と結社の自由の権利を
守る義務がある。
エホバの証人のコミュニティ解体を目的として
ロシア政府が起こした訴訟も同条約違反だ。」』
ロシアは、第二次世界対戦当時の「北の王」であったナチスと
全く同様の立場を取っています。
それゆえに、エホバ神が、神の王国を用いてご自分の主権を行使なさる時が
ますます近づいていると言えます。
「邪悪な支配は滅び去り、神の王国支配が始まる」という希望について、
世界中で触れ告げるエホバの証人の数は、今や850万人に増加しています。
その一方で、もちろん、今現在も、とりわけインターネット上では、
エホバの証人に対する猛烈な中傷キャンペーンが繰り広げられています。
しかし、ブログ管理人は、1995年に、あるコラムニストが書いた
以下の言葉に全く同意します。
◇「みんなが彼らのようだったら良かったのだ」
https://wol.jw.org/ja/wol/d/r7/lp-j/1995648
『これは、ルクセンブルクのレッツェビュルガー・ジュルナール紙に
掲載されたコラムニストの言葉です。
だれのことを言っていたのでしょうか。
このコラムニストは、アウシュビッツ解放50周年を記念する式典に
出席するためポーランドに行き、
アウシュビッツで大いに苦しめられた一つのグループのことが
その式典で全く触れられなかったことに気づきました。
彼は1995年2月2日付のコラムの中で、
それがエホバの証人のグループであることを述べ、
「最も厳しい留置場や強制収容所も、餓死ブロックの中や、
斧かギロチンの下で無惨な最期を遂げるという脅しも、
彼らに信仰を捨てさせることはできなかった」と書きました。
さらに、「残忍な親衛隊員たちさえも、
エホバの証人が死に面しながら示した勇気には驚き入った」と書いています。
エホバの証人は殉教者になることを求めたわけではありません。
しかし、1世紀のクリスチャンのように、何千人ものエホバの証人は
キリスト教の原則を曲げるよりも死を選びました。
そのような信仰があったので、エホバの証人は第三帝国の暗黒時代において
他とは著しく異なっていました。
このコラムニストは結論として、
「すべての人がエホバの証人のようだったら良かったのだ」と述べました。
もし本当にそうだったなら、
第二次世界大戦は決して起こらなかったことでしょう。』
コラムニストが述べた通り、強制収容所の過酷な状況下にあってさえ、
大勢のエホバの証人たちが、神の原則に対する忠実を保ちました。
世界対戦当時の証人たちが示したエホバ神に対する揺るぎない忠誠心の記録は、
エホバ神が邪悪な支配を終わらせた後に、
エホバ神を支持する臣民で構成される神の王国支配の下では、
二度と再び戦争が起きることはない、ということを証明していると思います。