パソコンの歴史には必ずデーターを保存する方法が課題となる。
原始時代なら石に刻む方法が存在し、動物の皮や紙にどんどん
変化していった。電子の時代はおいらが知っているのでは、
カセットテープが一番古い。FAXのようにピー、ガーという
機械音をひたすら録音して、それをパソコンにロードさせる。
おんなじ方法でも成功と失敗があり、何が違うのかよくわから
なかった。何度かやって成功すればよし、失敗すればもう一度
という感じ。プログラムの長さでテープの録音時間も変わる。
ゼビウスというゲームがものすごく人気があった。画質が
奇麗でゲームも面白かったので、アーケードのゲームから
各種のマイコンに移植されたほどだ。どれほど原型に近いか
奇麗に移植できるかが当時のマイコンの性能の評価となった。
1995年にWINDOWSが登場してもまだ記録媒体は
フロッピーが主流で、その後円盤ディスクにはMOという
ものが登場。MOは100MB台が初期の最大容量だったが、
CDも登場し始めた。CDは読み込みが遅く、記録するには
時間がかかり過ぎた。CDーRというのが記録できるCDの
形式で一度のみ記録できる。何度も書き換えをするには
CD-RWというものが出てきたが、初期の物の記録時間は
等倍速で、最大80分のCDなら80分かかる。データーに直すと
700MBとなる。
おいらが社会人になって初めて買ったパソコンがWIN98
だったと思う。FMと名のついた富士通のデスクトップパソコン。
フロッピーだけで17万したっけなあ。
その後、何回かパソコンを買った時にTDKのCD-RWの
ドライブを買った。空のCDーRは三菱製だった。買って直ぐに
焼こうと思ったらCDが回転したままで止まらずに初期不良を
思って修理に出したが、結果は壊れていないというものだった。
CD-Rが不良じゃないかという見解だった。そんないきなり
CD-Rが不良ってあり得るの?まだ知識の浅いおいらは、
納得がいかないものの動かないのであれば仕方ないと
放置した。その後CDドライブ付きのノートパソコンを買って
同じように焼いてみた。三菱ではなく、どこか別のちょっと
良いやつ。うまく焼けた。CD-Rは一度限りの焼き込みや
フロッピーのように何度も追加で焼くこともできる2種類の
モードがあった。一枚のCDで変更できないので、1枚は一度きり、
もう一枚はフロッピー代わりにした。
そしてうまくいくことからあの回転したまま止まらないCDを
入れてみた。やはり止まらない。ああ、前に言われていたのは
この事かと何年もかかってやっと納得した。
この後、パソコンにはDVDへと進化していくのだが、その前に
CDの読み込み速度は、2倍、4倍、8倍、16倍へと進化していく。
そう、DVDは4.7GB。これを2倍速で読むにはCDの容量より
多く読み込まないといけない。しかし、この頃のCPUは、まだ
性能が低く、早く読もうとすると音楽ならスカスカにデーターが
上手く読めなかった。リッピングという技術がCDの中身を保存
するという名目で世に現れて自分の買ってきた音源をMP-3という
圧縮型の音源で保存できるようになった。原形のままだとWAVE
形式で、音が全く破損しない。後にこの技術がコピー製品を助長
するという事でかなり警戒されていたが、IPODの登場で著作権
問題にはならなかった。ソニーがかなり著作権に慎重でこの時の
対応の違いで、IPHONEが優勢になる事になるらしい。
ソニーは著作権に配慮したATRACという圧縮方式で音楽を携帯
電話に入れる事になるが、音があまりよくないという評判だった。
MP-3は最も普及した音となるが、それを更に改良したMP-4が
プロの間で音質の劣化を感じない最も軽い容量の音となる。
ITUNESの登場でCDを自分のパソコンに簡単に入れられるように
なり、今でもこのソフトでCDをWAVEとMP-4にしてデーターを
救出している。CD販売が廃れ、音楽はネットで買う時代に
なったが、おいらは今でもCDを信じている。音の重厚感は
ネットでデーターで売られている物より品質が良いと思う。
何より、若い頃に聞いていた多くのCDをまだスマホへ全て入れて
いない。DVDさえ搭載されないパソコン時代だが、このDVDを
読み込む能力がCDを読み込む能力そのもので、売っているCDでも
相性が悪いと読み込めないという。昔は、パナソニック製か、
東芝製のどちらかで読めなかった時はもう一つの方で読めるかも
しれないという噂があった。
現においらのメインパソコンのダイナブックで昔のB'ZのCDが
一枚読めなかった。何度やってもだめで、新しく中古で探さないと
いけないかなと思ていた。ダメもとで嫁さんのダイナブックで
読ませたら何度やっても問題なく読めた。
ディスクドライブがどういう構成で、読めたり読めなかったりする
のかはわからないが、確実に読める物とそうでない物が存在する。
今後ドライブ自体が使われなくなってMOのように消滅するかも
しれない。SDやUSBメモリなどで必要性を失ってロスト
テクノロジーの仲間入りをした場合、今まで保存していたデーターは
何に移すべきか考えてしまう。石に戻すわけにもいかず、
磁気テープが一番安全だと聞いたことがる。
いずれ、過去に作ったもので一番保存が確実というものが存在する
らしい。紙を捨て始めた現代社会に後世に保存できる術は残るの
だろうか。