おいらは家電を見るだけで半日そこで過ごすことが出来る。
いや、今は体力がないのでちょっと自信が無いが、子供の頃は
欲しいものがいっぱいあったので、コーナーを行ったり来たり
して過ごせた。
子供の頃に一番目を引いたのが、当時出たばかりのマイコン。
NECのPC-98シリーズは、オフコンと言っても過言ではない。
もっとマイコンを一般人に普及させようとしたPCー88
シリーズや子供にも興味を持たせるための6001シリーズなど
頑張れば買えるんじゃねという価格設定も登場する。
まあ、結局買わなかったけど。
当時、住んでいる場所に歩いて行ける家電屋があった。
デンコウドーと言われる家電屋はのちにK’S電気になる。
まだ全国チェーンでなかったデンコードーは、市内のあちこちに
支店を設けていた。その一部がおいらの家の近くにあった。
駅前店が一番なのだと思うが、住宅地にポツンと立った家電屋は
おいらの遊び場だ。
勿論遊んでばかりでなく、色々買ったけどね。
平成に家電屋が大手に集約され、秋田にはコジマ、K’S、ヤマダの
3店が店舗を巨大化して1店舗ずつしかなくなった。
車でしか行けなくなってかなり不便になった。だがどの店も書店と
おもちゃ屋を一緒に組み込んでその家電屋で何でも買える仕組みを
作った。家電に興味のない女性は本屋で待っているという感じだ。
おいらはK’sとコジマをよく利用した。ヤマダは一番新しい家電屋で
馴染みがなく、また場所がバイパスにあって一定の方向からしか
入れないので面倒だった。途中で反対車線からも入れるように
なったが、交通量が多くて事故る確率が高すぎていつも同じ方向を使う。
K’s電気はこの時代に唯一おもちゃを取り扱わなかった。
おもちゃを扱わないという事は、この時代に流行り始めたゲーム機を
取り扱わないという事だ。この頃はプレイステーションやWIIが
爆発的に売れて最近になって転売ヤー問題が発生するまで売り上げの
主力になったはずだ。
まあ家電屋側じゃないので儲けがあるかどうかは分からないが、
ゲーム機を買う時はコジマかヤマダに走った。
今は落ちついたが、家電屋同士の競争が激しく、コジマでいくらで売って
いたらヤマダではいくらで買えるという交渉も大々的に行われた。
それが最近ではネットでいくらで売っているから店頭でいくらで買える?
という買い方に替わったようだ。
各お店でポイントを貯めるカードが作られて、ポイントがどの位還元
されるかが家電の値引きになった。K’Sはポイントカードではなく、
最初から5%引きに舵を切っていた。大幅に値引きするコジマや
ヤマダより売りたいという気持ちがあまり伝わらなかったK’Sだが
電池や電球などの消耗品の充実と値段は魅力があった。
大型家電を売りっぱなしのコジマやヤマダの作戦と違い、何度も
買いに来る消耗品が一番安心して買える店だった。
だから暫くはK’Sでは必ず消耗品を買いに行って満足した。
スマホとか大型家電の売り方は上手ではないが、消耗品は凄い。
しかも定期的に必要になるのでよく立ち寄った。
小物家電は得意のようで、他店では扱わない安くて手頃な物を
用意している。いつの間にかドライヤーも数万円する物に
なったようだが、おいらは昔ながらの数千円の物を探した。
最低限の機能で1800円。うーん、これいいね。
レジで5%引きの「安心パスポート」をカードで提示すると
今なら500円割引が使えるアプリがありますがいかがですか?
と聞かれた。前に途中までやって失敗したので、すぐできますか?
と尋ねると数分の時間いただければと返してきた。
今日は時間があるので、じゃあ、お願いと言って途中まで操作
すると、うまくいかない部分を調べて最後まで完了してくれた。
そしてその状態で再びレジに戻り、結果600円引きで買えた。
次に1000円引きの券などまだ残っているようだし、アプリ
なので財布から前もって準備しなくていい。
今買い物をするところではほとんど店専用のアプリを持っている
ようだが、何処でも使えるアプリならすぐに登録するが、
そこでしか使えないアプリはあまり要らない。
急にパスワードを作るように言われてその場で作って忘れる確率が
高すぎる。また、あるお店ではLINEの友達登録で会員券が
表示されたりとなかなか頭を使っている。
本当にスマホが無いと割引などの恩恵が受けられない時代となった。
おいらは既に管理しきれない程のアプリを入れているが、大体は
スマホのメモにその場で記録している。紙でメモるより忘れ難い
からだ。とはいえ、このメモは何だろうというのは結構ある。
何処かで使うかもしれないから消せないのだった。