1990年代初め、世の中はバブルにまみれていた。

 

おいらも秋田から東京の専門学校に進学してその後、

 

横浜の会社に入社する。1年間は建物が未完成で

 

研修が行われていたのが関内のビル内だった。

 

おいらは弘明寺という場所で一人暮らしを始め、趣味に

 

カクテルを作ることをあげていた。

 

とは言え、社会人一年目でそれほど給料も高いわけで

 

ないので、一ヶ月に一つカクテルの道具を揃えることにした。

 

カクテルと言えばシェーカー。絶対に外せないアイテムだ。

 

横浜のデパートに赴き、シェーカーとその周辺道具を揃えた。

 

専門学校時から憧れていたカクテルの本を手に最初に作ったのが

 

スカイダイビングだ。お酒だけは弘明寺の商店街にある酒屋で

 

一本一本揃えていった。マティーニも作りたかったが野菜嫌いな

 

おいらはオリーブを買うのが嫌だった(笑)

 

しかもマティーニはシェーカーを使わず、ミキシンググラスを

 

使うので形から入ったおいらには地味だと思った(笑)

 

お酒の種類もスカイダイビングには、ホワイトラム、ブルーキュラソー、

 

ライムジュースといった用意するものがあるが、これを使った

 

カクテル以外だとまた酒の種類が増えるのですぐには買えなかった。

 

マティーニはドライジンとベルモットというワインのようなお酒を

 

準備する必要がある。このベルモットは他に使い道がなくて

 

最後まで余らせてしまう酒だった。ドライジンは定番のビフィータで

 

その頃で45度2000円弱だったと思う。今ではボンベイサファイアと

 

いうジンが美味しいと思うが、この頃は飲みに行った味を再現するのが

 

最高の味と思っていた。毎日、こればかり飲んでいられないので、

 

ビールを箱買いすることを覚えた。昔からあとちょっとで値上がり

 

するから今のうちだけ安いよという買い方が流行っていた。

 

一日一本100円の贅沢で、3000円未満で買えていた気がする。

 

海外のビールでバドワイザーやハイネケンが安かった気がする。

 

弘明寺の隣の駅で蒔田という場所にハイネケンの庶民的なバーがあった。

 

歩いても行ける距離でよくナッツと一緒に飲んでいたなあ。

 

ビールが毎日飲むと結構高くつくので、ウィスキーに行ってみた。

 

子供の頃、千葉の母の実家がミニスーパーでその棚に銀色の箱に入った

 

シーバスリーガルが8000円の値段が付いていた。いつかこういう酒が

 

飲めるようになりたいと良く思ったものだ。今は一番安い時で2000円台

 

真ん中が覚えている金額だがどうかな。最初に飲んだのは友人が進める

 

安酒のアーリータイムズが最初。最初だったんでうまいかどうかより

 

酔えるかどうかから始まった。途中、ブランデーも飲んでた。ブランデーは

 

VSOPをメーカー問わず最低限に選んでいた。XOが出ると最高だが、

 

詳細は省略。地元の友人が来た時これで一杯やっていたが、体に合わず

 

途中寝てしまい、朝起きたら友人は帰ってしまった後だった。

 

その失敗を反省してボトル一本空けるのは止めた(笑)

 

体に一番合わないのが日本酒らしく、ブランデーなどは変な二日酔い

 

しなかったが、日本酒の二日酔いは頭が痛くて気持ち悪くて二度と

 

飲みたくないと思うほど。そのせいでどんなに高級な大吟醸でも

 

本当においしいのか疑いながら飲み、二日酔いを恐れてちゃんぽんも

 

しない。まあ、当たり前かな。

 

その後、自分ではバーボンの系統が好きらしく、色々なバーボンを

 

買って飲んだ。バブルの時代に初めてフォアローゼスが登場したと

 

思うが、初めて飲んだ時には確かにバラの香りがしてびっくりした。

 

ワイルドーターキー、フォアローゼスなどの安い物を選んで飲んで、

 

24歳の時衝撃的なお酒と出会う。今は普通に出回ってしまったが、

 

メーカーズマークだ。赤、黒、緑、ゴールドといったラベルがあって

 

一番安いのは赤だ。そして緑がミントジュレップというカクテルに

 

近い酒だが、これに嵌った。甘くて名前の通りお薬みたいな感じで

 

飲めるのだ。ハーブのミントが心地よいお酒で夏場によく飲んだ。

 

このメーカーズマークが一大決心して赤いラベル以外止めるというのに

 

びっくりした。たまにミントジュレップや46といった珍しい樽から

 

ブレンドしたものが出るが、ゴールドなどはほぼ出ない。おいらは

 

このゴールドを1万円で昔買って保管している。子供の結婚式に

 

飲もうと思って封印している。

 

今はCMで俳優さんが美味しそうに飲んでいるが、それよりもはるか

 

前の時代に存在に友人が教えてくれた。

 

本当は親父殿と飲もうと思ったお酒がいっぱいあるのだが、親父殿も

 

ビールをコップの7㎜位注ぐだけで十分だと言って飲まなくなった。

 

子供もビールやワインすら飲めず、ウィスキーなんてとんでもないと

 

思うだろう。おいらがこの世にいる間に一口だけでも全部を飲んで

 

思い出にしたいな。結構なお酒の量があるのでこれ全部飲んだら

 

流石に命に係わるかもと思って手は付けていない(笑)