我が家では80過ぎの爺様が未だに主導権を握っている。

 

とはいえITなんてものには全く仕組みが分かっていない。

 

それでも何かを調べたいという欲求でスマホを手放さない。

 

向こうからの電話はするが、こちらからは一切繋がらない。

 

耳がほとんど聞こえないので手記にて意思疎通しているが

 

80を超えてもまだ物欲が激しい。

 

特に気を遣っているのが健康食品や化粧品で、いつも

 

新製品のDMがくると試供品を頼もうとする。

 

試供品を提供するのに熱心なサントリーなんかは、もう

 

試供品を受けられず買って下さい状態。おいらの名前と

 

嫁さんの名前を使ってまでも試供品を欲しがり、ついに

 

使える名前が無くなった。子供の名前も使おうとしたので

 

強く却下。散々文句を言った挙句、商品を購入する事となった。

 

何時も試供品を頼むが買ったことのない親父殿は、

 

ネット注文を勝手に行うことが多い。その為、おいらの名前で

 

契約したスマホやパスワードは一切教えていない。それでも

 

強行して契約しようとするときは、一旦親父殿用に作った

 

ヤフーメールに返信が来るようにしている。当然、ヤフー

 

メールにしか返事が行かないので、手続きの途中で確認の

 

メールが一切親父殿にはいかない。待てど暮らせど進まないので

 

親父殿がおいらにこれが欲しいと言い出してきてやっと行動が

 

成立する。この方式で、詐欺メールやいかさまの品物を買おうと

 

したのを阻止したこともある。

 

もう棺桶に半分以上体が入った年なのに、まだ物欲が激しくて

 

この人あの世に物を持って行けると思ているのかと本気で

 

心配になる。

 

80過ぎてもこの調子なので若い頃から今までかなり大喧嘩に

 

なった事も数え切れない。お袋やおいらは小さい時から

 

この調子だからこれが当たり前のようになっていたが、

 

嫁さんが来てからこの環境が当たり前ではないと気付き、

 

心理的に強くなった。

 

まあ根は悪くないと思うが、兎に角すべてを管理下に

 

置かないと気が済まない性格なのでマジで大変だった。

 

世の中には決して最後のボタンは教えてはいけない

 

状況がある。アメリカの核ボタンのようなものを

 

親父のような人の前に置いておいてはいけない。

 

うっかりすっきり押すかもしれないから(笑)