千の輝く太陽 | 緋色の日々是好日

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JRT(ジャックラッセルテリア)のマイロとアビィと緋色の絵日記です。

毎日の出来事を書いています。

千の輝く太陽 (ハヤカワepiブック・プラネット)/カーレド ホッセイニ
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中東問題は私の大きな関心ごとです。

シルクロードの行き着く先、かつての美しいアラビアンナイトの世界を抜け、やがてやはり貧困にあえぐアフリカへ、平和な村が突然襲われ、男は殺され、子ども達は連れ去られ洗脳されテロリストに仕立て上げられる。自分の体より大きな銃を撃ち自爆を恐れることもしない・・・。力だけがモノを言う略奪の世界。


なぜこんなことが起こるんだろう。これはいったいいつの時代なんだろう、大昔の出来事ではないのだろうか?いつもこの内容にあたると錯覚をする。
この本は、アフガニスタンの二人の女性の1970年~2003年までのお話です。


女性は抑圧され、家畜以下に扱われ、暴力を振るわれる・・・、権力でさえ守ってくれない。
夫にいわれのない理由で死ぬほど殴られても、家族の問題だからと警察も相手にしてくれない。死ぬ思いで逃げだしても女だけの旅は禁止だ。
当然つかまり、夫に殺されると訴えても夫の元に戻される。


戦火に巻き込まれ、今までそこで笑っていた家族や友人が、爆弾に吹き飛ばされ肉片になる。真っ赤な霧の向こうに父の首のない姿を朦朧とした意識の端に見る。何日もたって、屋根の上から靴を履いたままの友人の足がみつかる。

常にさらされる命の危機と飢えで、大好きだった、昔はきらきらと輝いていた祖国を捨てざるを得ない生活ってどんなものなのだろう。


女は男の目をみてはいけない。
女は公の場で笑ってはいけない。
少女が学校へ行くことを禁止する。
・・・。


清潔な病院は男を診る。女は器具も薬もない病院で子を産む。
麻酔もない施設で、母は子の命のために生身の腹を切る。

母って強いな・・・。


夫に殺されそうになったライラ(第二夫人)を助けようとして夫を殺してしまったマリアム(第一夫人)は死刑になる。

「神は男と女を違うものにつくられた。脳が違う。女は男のようには考えられない。西欧の医学や科学もこれを証明している。男なら一人で証人となれるところ、女は二人そろわないと証人になれない」


宗教や政治って何なんだろう?でもそんなことを平和の国の私が考えるだけでも罪深いような気がする。