朝起きて出勤する夫を見送る。

 

さて、何しようと考えてみるものの、観光ではない今回は、急いで「何か」をしなくてもいい。

となるととたんにやることに困ってしまう。

大学を卒業して毎日仕事をするのが当たり前だった今までと、何をやってもいいという自由をかえって不自由に感じてしまう自分を情けなく思う。いろんなことを広く浅くやってきた私は仕事以外にはまった趣味ってなかったんだなぁとしみじみ、、、。

趣味は「買い物」。洋服や靴はもちろん、ロンドンに住んでいたときにアンティーク(ガラクタのようなヴィンテージも含む)にはまり、地元でオークションに行ったり、アンティークの歴史やホールマークの勉強をしたりした。そのおかげで物が増えてしまい、引っ越しが大変だったのだけれど。

 

さて、そんなこんなで今日も天気の悪い香港、アパートメントにあるプールに行く気にもなれないのでぶらりと香港大学へ行ってみることにした。

 

大学は地下鉄HKU駅まで行くと目の前にあった。美しい校舎をぶらぶらするも、学生ではない自分が大学構内を歩いていることになんだか不思議な気持ちになる。講義中なのか、ほとんど学生とすれ違うこともなく、とても静か。夏休みなのかもしれない。大学のグッズなどが購入できるというビジターセンターを目指すも場所がわからず、警備の人に聞いても英語が通じず広東語で説明を受けるもやっぱりたどり着くことができなかった。適当に歩いて見つけた看板で場所を確認すると、自分がいるところの真逆にそれがあるとわかり、今日のところは断念。あまりに蒸し暑すぎてそこまで行くパワーがない。

 

 

もうお昼の時間だ。お腹も空いたのでどこかお昼を食べるところを探そうと、帰りは地下鉄を使わずセントラル方向に向かって歩き出す。

 

あちこちで工事をしている香港だが、足場は竹で組んである。近代都市でもこういう部分は残されている、そのギャップがいいところなんだろうななんて思いながら歩いていると、頭にピチャっと水が落ちてくる。そう、エアコンの室外機がビルの外に設置されているのでよく水が頭に落ちてきて不愉快だ。一瞬鳩にやられたかとひやっとする。

 

そうだ、MONOCLE Hong Kong に出ていた「茶餐廳(チャーチャンテン)」に行こう。

チャーチャンテンとはいわゆる喫茶店と食堂を足したようなローカルのお店で、歩いているとたまに見かけるが、ローカル度が強いためある意味ビギナーには敷居が高い。基本、英語は通じないし、メニューも写真がなく文字がぎっしり書いてあって、それが食べ物か飲み物かの違いしか私にはわからないのだ。

Google map に頼って歩くこと40分、MONOCLEでは「Hoi On Cafe」とあるけど、もちろん看板は広東語なので一瞬通り過ぎそうになった。

 

 

とにかくお腹が空いていたのでとなりに座っているお姉さんが食べているランチセットを注文。MOMOCLEにも紹介され、きっと観光客も来るだろうに、英語も一切ダメ、メニューも広東語のみという媚びない姿勢が欧米人のハートをつかむのか。5分とたたぬうちにやってきたインスタントヌードルにチャーシューがたっぷりのったものとアイスミルクティー、セットで48香港ドル。

 

 

これ、ジャンキーな味わいがたまらなくおいしい。

チャーシューだってぷりぷりでスモークされた香りも悪くないし、インスタントヌードルのパサパサした感じが良く合う。

 

店内、老若男女いろいろだが、みんな結構食べるのに驚く。麺とパンのセットを食べている女性だって多いし、飲んでいるミルクティーはすごく甘い。炭水化物祭りだ。それなのにみんな細い。日本では糖質制限ダイエットなんて流行っていたし、会社の食堂でも、ごはん少な目で、なんて注文する女子が多かった。お茶に秘密がある、なんて聞いたこともあるけど、ほんとかな。

 

満足してお店を出て、とぼとぼと歩き出し、疲れた足をフットマッサージで癒して帰る、、、

そんな平和な一日。