先に部屋に戻ったハルを追うように、エレベーターに乗る。

かなり酔ってるんだと思う。

いつものハルなら、すぐに気がつくと思ったのに。

車で気がついてくれたら、こんなに緊張することなかったのに。

どう渡そうか。

迷うな。



ピンポーン


ハルが開けてくれる。




ハルが一瞬こちらを探るように見たような気がした。


「ハル。これ。あのさ、その。、あの、ほら」

笑いながらぎゅっと抱きついてきた。


「うん。実は気づいてたの。でもさ、ほら、なんか、きまずくて。」



気づいてた。。

やっぱり、かっこよくなんて渡せない。

いつもありがとうとか、言えばいいんだけど。
面と向かうと、照れるんだよな。

目が合わせられなくなるから、ちょうど抱きついてくれてるから、今なら。


「ハル、最近忙しすぎて、だから、なんとなく、いつも通る花屋に。どうしますか?とか言われたから、絶対俺ってバレてるから、お世話になってる方のお子さんの誕生日で、っていったから、すごく可愛いのが出来上がって。紙袋に入れてくれたから。」

なんて、いろいろ言ってたら

「その気持ちが嬉しい。どうするの?こんなに、こんなに、好きにさせて。


もう!」


と言いながら、頭をグチャグチャと撫でられた。
犬でも撫でるように。