夏野菜の収穫や秋野菜の準備で畑に出向くと、よくクモの糸に引っかかる。
雑草が生い茂った畑には虫が多い。
そんな虫を退治してくれるのもクモであり感謝しなければならないのだが、見えない糸に絡まれて不快な思いをすることがある。
「蜘蛛の糸」と言えば、芥川竜之介の名作ですが、地獄から脱出できるたった1本の蜘蛛の糸のものがたりですが、こんな夢のようなはなしを確かめた日本人がいる。
生体高分子学の大崎茂芳奈良県立医大教授。
コガネグモ約百匹から3ヶ月かけて、太さ5マイクロメートル(マイクロは百万分の1)の糸を採取し、約19万本の束で10センチの長さ、太さ約4ミリのロープを作った。
このロープをハンモックのつり紐に使って体重65キロの教授が数分間乗ることができたという。
理論上は、約600キロまで耐えられるそうだ。
かつて、人類は蚕の繭から絹を発見して、絹糸をひとつの文化にまで高めた。
今ではこの方法を化学的に合成して、化繊をつくるようになったが、 考えてみると手っ取り早く身近なクモの糸を利用することができれば自然にやさしい生き方ができよう。
大崎教授は防弾チョッキや手術用の糸に使えないか検討したいと話している。
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