今度入室してきた親父は危ない感じを漂わせていました。
目付きからして何かしらしてくる予感はありました。礼儀知らずの親父ですから私は無視していました。
それが気に入らなかったのでしょう。
私は愚か者を演じていましたが、この親父は本当に愚か者でした。
私に呪詛をかけて来ました。
私は、弱い結界を張ってありました。
それすら破れない親父が私に勝てる訳がありません。呪い返しをかけてやりました。
命はとりとめましたが、親父の病状は悪化して個室行きになりました。
私は基本的にやられたらやり返します。
予知夢を見ていたから対処出来ました。
退院したら、東寺にお礼参りに行く義務が出来ました。
春の美しい東寺はまさに極楽浄土と言えるでしょう。
あくまでも噂話なんですが、信じられない話を聞きました。
今は一時期ほど臓器移植がニュースにはなりません。心臓ならたまに話題になりますが、角膜や腎臓あたりなら話題に昇るのは特殊な場合のみです。
ところが、ある臓器は移植ばかりされているそうです。
しかも、一年事に他人の身体に移るらしいのです。
しかも決まって3月3日の桃の節句に移植手術をするそうです。
そう言えば、昨夜は急患で臓器摘出で移植手術があったらしいです。
もしかしたら、また臓器が他人の身体を求めて移動したのかもしれません。
真実は藪の中です。
私がいる病院は、いろいろな伝説があります。
勿論恐怖伝説に彩られています。
日本人で最初のAIDS患者も実はこの病院で死亡したと噂が流れた事があります。今朝方、幽霊騒動がありました。
私と同室の人に浮遊霊がトイレから着いて来てしまいました。
その人も中途半端に霊感があったから騒ぎになりました。
朝の3時の出来事です。
ナースが騒ぎに気付いて私達の部屋に来ましたが、冷静に一言いい放ちました。この病棟で死んだ患者さんの数は数えきれません。
1人くらい化けて出ますよ。
眠れないなら睡眠薬を出しますから静かにして下さい。
霊を否定しないで肯定するナースも珍しいです。