今まで、いろいろな海の幸を政宗さんの家でご馳走になりましたが、この家の量と質には驚きました。
家も大きいし、いる人間も沢山いました。
昌昭さんの伯母さんに当たる方が嫁に来ていて、旦那さんが社長です。
お姑さんが会長で、従業員が8人いました。
昌昭さんは、お姑さんに気に入ってもらっているらしくて、笑顔で会話していました。
有記さん、沢山たべてね。高足がには珍しいでしょ?ウニもホッケもおいしいわよ。
昌昭さんの伯母さんと言っても、昌昭さんとは年齢はそんなに変わらないから、幼い頃は一緒に遊んだ仲だと教えてくれました。
昌昭さんの好物があるわよ。
そう言って出されたのは、鯨の刺身でした。
では、これを使いましょう。
お義母さん、いつも悪いですね。
昌昭さんは、持参した生ワサビを渡しました。
最高級ワサビで、築地に出せば一本一万の極上物です。
それを三本渡しました。
いつも、すいませんね。
お義母さんは、拝むように受け取りました。
私は、そんなやりとりを横目で見ながら料理や刺身を食べていました。
お義母さん、頼みがあるから別室へ行きましょう。
昌昭さんとお義母さんは部屋を出ました。
それと入れ替わるように、男の子が2人入って来ました。
お母さん、昌昭兄ちゃんどこにいるの?
いつも遊んでもらっているらしくて、なついているのよ。
昌昭さんの伯母さんの清恵さんが教えてくれました。昌昭は、お祖母ちゃんと大事な話だから、こっちでご飯食べなさい。
昌昭兄ちゃんの奥さんがいる。
長男の博が言いました。
本当だ、昌昭兄ちゃんの奥さんがいるね。
次男の慎二が真似て言いました。
私は、この2人に挟まれて食事をしました。
お姉ちゃん綺麗だね。
博がませた口調で言いました。
まだ赤ちゃん出来ないの?そう言った瞬間、清恵さんに叩かれました。
余計な事は言わないの。
面白い兄弟で、一緒にいても愉快でした。
暫くしたら昌昭さんが帰って来ました。
昌昭さんを見るなり、兄弟揃って昌昭さんに抱きつきました。
昌昭さんは隣の部屋で遊んでやりました。
まるで子犬をじゃらしているようでした。