真夏の怪談

大学生になって1人暮らしを始めた人も多いでしょうね。
特に男性は自由を得る代わりに自炊、洗濯、掃除と言う未知の仕事が現れます。なかでも、一番面倒なのが自炊です。
和雄は今まで勉強しかしないで生きて来ました。
部活も恋愛も知らないで、ただ六大学に入りたい。
その一途な思いで勉強して来ました。
和雄はそれなりにイケメンでしたが、女性と付き合った経験がないから、ウブでした。
ある飲み会で1人の女性に声をかけられました。
彩夏と言う少し影のある女性でした。
彩夏から会話をしてくれるから和雄としては楽でした。
2、３回会ううちに和雄は男にして貰いました。
初めての体験は快感でした。
それから、毎夜営みをするようになりました。
友達が和雄の顔色の悪さを心配しましたが、聞く耳を持ちませんでした。
ただ、夜になると和雄の部屋に綺麗な猫が入って行く所を見た人がいました。
その猫が入って行くと、彩夏お帰り。
和雄の声が聞こえたそうです。
ねぇ、和雄。
あなた昔、猫を跳ねて殺した事あるでしょ？
和雄の分身を舐めながら彩夏が聞きました。
そ、そんな事有ったかな？和雄は絶頂寸前で言葉になりませんでした。
カブッ
ギャー
あんたに跳ねられて死んだ猫は私なんだよ。
分身を噛みきられ、さらに首筋を噛まれて和雄は絶命しました。
下の家から血が落ちて来たと大家さんにクレームが行きました。
鍵を開けて、部屋に大家さんが入りました。
あまりの惨劇に腰を抜かして座り込みました。
血の海の中で猫が和雄の分身をオモチャにして遊んでいました。
血の匂いが借家じゅうに広がりました。
すぐに警察官が来ました。その時には彩夏、いや、猫はいませんでした。
和雄の分身を喰わえたまま消え去りました。
彩夏は、和雄以外に見た人はいませんでした。
猫好きの変人。
和雄は、周りにはそう思われていました。