一回戦は、波乱があった。柳生但馬が斎藤伝鬼坊に敗れ、富田越後が岩間小熊に破れた。幸村、東郷、丸目が一回戦を突破した。
秀吉は、家康と利家に、
おことたちの家臣は、天覧試合を軽んじてるのか?
そういうと、帝も内府と大納言、朕はそなた達を見損なった。
一回戦で負けるとは慢心じゃな、明日から1ヶ月は謹慎させるであろうな。
2人とも、己の自慢の家臣の敗北で、このような恥を掻くとは思わなかった。
二回戦は、幸村は斎藤伝鬼坊に勝ち、決勝戦に進出した。
丸目は岩間小熊に勝ち、
準決勝戦で東郷に破れた。決勝戦は、真田対東郷であった。
勝った方の家は、名誉が待っていた。
決勝戦は、翌日になった。帝は、両名と島津義弘、真田昌幸を夕食の場に招待して労をねぎらい、親しく
言葉をかけた。
次の日の決勝戦は、息の詰まる試合であった。
両者共に秘技を出して闘った。
延々と一時間近く闘い、最後は幸村が勝った。
新陰流究極奥義、転。
これは、柳生には伝承されていない真の奥義であった。
帝からお声がかかった。
真田よ、見事であった。
朕は満足じゃ。
褒美を採らす。
そう言って目録を渡した。中を見て幸村は驚いた。
正四位左中将に任ず。
そう書いてあった。
秀吉からは、真田家に十万石加増のお墨付きが渡された。
準優勝の東郷重位には正宗の銘刀が贈られた。
三成は、友人である幸村の優勝と真田家の加増を喜んでいた。
これで、真田家が兵力が増す。
家康は、苦虫を噛み潰した顔をしていた。
真田家の兵力増加は、厄介以外の何物でもなかった。