幸村は、次の日に登城して石田三成を訪ねた。
治部殿、此度は多数のお祝い品を頂き忝ない。
幸村は、頭を下げた。
三成は笑いながら、他ならぬ貴殿、しかも相手は刑部の娘とあっては、拙者もあれくらいせねばな。
ところで、貴殿は、もうすぐ信濃へ戻ると聞いたが、その挨拶かな?
治部殿、お願い事があって参った。
殿下のうさを晴らす為に、天下一剣術会を開いて貰いたい。
そうすれば、徳川に大打撃を与える事が可能です。
殿下亡き後の、最大の障害者は徳川です。
幸村は、己の計画を三成に話した。
さすがは幸村だ。
わかった、殿下に話して、天下一剣術会を開催して貰おう。
それにしても、良くそこまで考えたものよ。
三成は、感心した。
では、殿下の元に行って参る。
三成は、秀吉のいる本丸御座所に向かった。