死が間近に迫った時に

数日前、私は先輩から、ある方への遺書を送って欲しいとの遺言に従い、送りました。
便箋二枚の文章を書くのに三時間かかったそうです。字は掠れて弱々しい文字でした。
内容は、ある種のラブレターでしたが、自分の死を覚悟して書いた文章は、涙無くして、書けませんでした。
死に対する無念さは、本当に泣けました。
便箋には、悔し涙の跡と、吐血した時に跳ねた血がついていました。
この手紙を書いた数時間後に先輩は、亡くなりました。
本当に、この方が好きだったんだと、感じました。
死を目前にして、私はラブレターを書けるだろうか？それより、正気でいられるだろうか？