石田三成を始め、一同登城する事にした。
直江兼続は、主君、上杉景勝の元へ帰った。
門番は、三成の顔を見ると、石田様、良い時にいらした。
金吾様が淀殿を切りました。
まさか、秀秋がこのような事をするとは。
とにかく、急ごう。
三成達は、本丸御殿に急いだ。
大野治長、治房兄弟が、
小早川秀秋を捕らえて、
牢屋に入れた。
三成は、大野兄弟を見るなり、貴殿らは何をしていた。
金吾ごときに、このような真似されて、ようも生きているな。
腹を切れ、無能者。
こんなに怒った三成を見るのは、長年の親友である、由継でも、初めてであった。
治部、落ち着け。
治長、事情を説明せよ。
大野治長が、事情を説明した。
小早川秀秋が、珍しい細工の工芸品を秀頼様に献上したいと、申し上げて来ました。
一度は、断ろうと思いましたが、中納言でもあるし、太閤様の甥ですから、断れずに、目通りを認めました。
そして、身体検査をした後に目通りを許しました。
献上の細工は、黄金造りの細工品でした。
その細工品の中に、小刀が、隠されていました。
そうとは知らない、秀頼様、淀殿が近くに寄って見ている時に、秀秋が小刀を抜いて、淀殿の胸を一突きしました。
兄の仇、思い知ったか。
我等急いで、秀頼様を奥に匿い、秀秋を取り押さえました。
秀秋は、秀次の弟であったな。
三成は、思い出したように言った。
亡き兄、関白秀次は、淀殿のせいで、死んだと誰が吹きこんだのか?
三成は、黒田如水の顔を思い浮かべた。