一通りの事柄が終わると、盃挨拶が始まった。
諸大名が挨拶と酒を幸村に注いで、幸村が酒を飲むのである。
最初は、石田三成であった。
刑部の婿殿、宜しく。
そう言って、去った。
次は、黒田如水で、おめでとうござる。
紋切り型の挨拶であった。それから暫くは、そんな感じで淡々と進んでいた。
そして、加藤清正が、刑部の婿殿、貴殿は剣術の達人と聞く、拙者と一手対戦願おう。
すると、徳川家康が出てきた。
清正殿、真田は、わが縁者。真田と闘うなら、徳川と闘うと同じ。
その根性は、ありますか?清正は、酔いが覚めたようで、真田殿、失礼した。
そう言って去った。
福島正則は、この盃で飲んで貰いたい。
そう言って、一升盃を持って来た。
拙者が見本。
そう言って一升飲んで見せた。
幸村は、笑って、一升飲んで見せた。
福島正則は、お見事、さすがに刑部の婿じゃ、気にいった。
そう言って去った。
次は、伊達政宗であった。良い嫁さんもらったな。
今度2人で我が屋敷に来てくれ。
そう言って去った。
次は、結城秀康であった。幸村、安芸殿、おめでとう。
拙者の屋敷にも参られよ。そう言って去った。
最後は、前田慶次であった。
幸村、胃が疲れただろう。そう言って胃薬を渡して、去った。
こうして、結婚式は終わった。
幸村は、3日間有馬温泉の秀吉の温泉宿で過ごし、
夫婦の愛情を確かめた。
そして、お礼言上に向かい、秀吉に挨拶した。
次の日から、側近に戻った。
そして、その晩に事件が
興った。
伏見大地震であった。