オトフリートプロイスラー 『クラバート』
小学校の頃、プレゼントとしてもらった本『クラバート』
- 著者: オトフリート=プロイスラー, ヘルベルト=ホルツィング, 中村 浩三
- タイトル: クラバート
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ヴェンド人の少年3人組で村から村への浮浪生活をしていたクラバートは、
ある時から奇妙な夢を見るようになる。「シュヴァルツコルムの水車場に来い。
お前の損にはならぬだろう!」という声と止まり木に止まった11羽のカラスの夢。」
その声に従って水車場の見習となったクラバートは、昼は水車場の職人として働き、
金曜の夜には12羽目のカラスとなって、親方から魔法を習うことになる。
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美麗な表紙絵が目を引く一冊だと思います。
内容もその表紙同様に色とりどりで美しく不気味さと不安を備えたものです。
この作品はドイツの民話クラバート伝説をかき集めて、
それらをプロイスラーが一貫したプロットの元再構成した作品です。
他にも「デカ帽」など他の伝説も盛り込まれており、
また不自然さも無く、完成度の高い一つの話となっています。
この作品の素晴らしいところは愛とは何かを知ることができることです。
人を愛するってどういうことだろう、この疑問に応えてくれる本です。
異性を好きになる、誰かを好きになる、そういった次元とは違った愛があります。
小学生のときにもらって以来、何十回と数えられないほど読み返しています。
読み返すたびに新しい発見があり、実生活で実際に行動したくなります。