父が「2人で電車乗って旅に行こう」
って急に言ってくれたことがあって。
休みの日に、これと言って遊びに連れて行ってもらえるほどの
経済状態でもなかった我が家にとっては、
青天の霹靂ともいえる事で。
「1,500円で行けるところまでの切符ください」
そんな切符の買い方をして
駅員さんにびっくりされちまったんだぜい
って、ちょっと照れくさそうに
ちょっと誇らしげに
話しかけてくれたり。
ただし父ちゃん、日ごろの疲れなのか
電車の座席で豪快に寝始めて、
寝息というかイビキというか その…
小学生の頃のワシにとっては、
父親の日頃の仕事のしんどさを推し量る能力もなく…。
でも、母親に言われてか
子供と二人旅、というコンセプトで
誘ってくれたんだろうなあ…。

父親が亡くなって、結構な年月が経って。
「結婚できるかどうか、それが心配だ…」
と外でこぼしてた あなたの息子は
どうやら結婚できて
かわいい息子も授かることができて、
ここ数日
風邪でダウンしてた嫁さんが
家で昼寝する時間を稼ぐために
息子に結構なサプライズを仕掛けたつもりで
ロングドライブに誘って連れ出してみたり。
助手席で寝息を立ててる
自分の子を愛おしいと思いつつ
でもドライブに連れ出して
商業施設に連れて行ってゲーセンでゲームをさせてやる程度で
大して情操教育を図ってやるような親でもなく…。
疲れで眠ってる父親と
ガタゴト電車に揺られて
出かけたあの日の日記は
照れ隠しで、
「お父さんはずっと寝てたので
僕は何をしに行ったのかわかりませんでした」
って 書いてしまってたっけ。
両親にとっては、
その文章は尖りすぎていて。
照れ隠しのふざけた気持ちは、全然伝わらなくて。
…ごめんね…
そして今。
大したことができない親になっちゃってるなと…。
なんで、一緒に遊ぶことができないんだろうねと…。
ドライブよりも、公園で一緒に走りまわる方がよかったね…。
ワシ、下手だよなあ…。
そんな、日曜日。


