アンペア(A)とアンペアアワー(Ah)について | プロジェクション スタッフ ブログ

アンペア(A)とアンペアアワー(Ah)について

よくバッテリーの容量をあらわすときに「何アンペアだよ」という会話を聞くことがあります。でもこの表現は実は間違っています。

アンペア(A)は、電流の単位ですので、容量を示してはいません。
実際には、「エンジン始動時に最大で400Aが流れた」などとつかいます。
電流の単位ということは、電気の流れている量を表すので、電気のためている容量を表してはいません。

では、容量を示す単位は「アンペアアワー(Ah)」と表します。

このアンペアアワー(Ah)は、使い始めから使い終えるまでに
バッテリーから取り出し、放電した電気量となります。

10Ah(1時間率)とは、電流10Aを1時間流せる容量がありますということです。
10AH(5時間率)は、電流2Aを5時間流せる容量があるということです。
このとき、放電を止める(終止)電圧はバッテリーごとに決まっています。

また、バッテリー容量は、流した電流の大きさにより変りますので、何時間率と一緒に表記します。

日本車に使われているJIS規格のバッテリーは、5時間率容量で表してあり、欧州車に使われるDIN/EN規格は、20時間率容量であわしています。
容量はメーカーのカタログなどに掲載されています。

実際には、5時間率の値のほうが、20時間率に比べ放電時間が短い分、数値が低くなります。

もう一つよくある間違いとしては、JIS品番の「55D26を使用しているから55アンペアだよ」ということがあります。

品番の頭の二桁の「55」から55Ahと言っているのでしょうが、
この「55」の数値は、容量を表しているわけではありません。
JIS規格で定めた性能ランクの数値です。

実際には「55D26」は、5時間率 48Ahです。
ちなみに「55B24」」は、5時間率 36Ahです。
おなじ「55」でも容量が違いますね。


アンペアアワー(Ah)は、語句が少し長いので
アンペアと略したくなるのはわかるのですが・・・

アンペアアワー(Ah/容量)とアンペア(A/電流)では、表していることが違いますので、
しっかりと使い分けてみてくださいね。