
ます、総務省から発表されたこの資料をご覧ください。
平成20年「通信利用動向調査」 の結果
平成21年4月7日に総務省から発表されたこの資料には、
平成21年1月に、世帯及び企業における情報通信サービスの利用状況、
情報通信機器の保有状況等について調査した「通信利用動向調査」の結果が
報告されています。
「<インターネット等の普及状況>
○ インターネットの利用者数は9,091万人、人口普及率は75.3%。
インターネットの利用者数は、対前年比280万人増の9,091万人に達し、
人口普及率は75.3%(対前年比2.3ポイント増)となった。
また、世帯におけるブロードバンド回線の割合は73.4%(対前年比5.8ポイント増)。
このうち、光回線が39.0%(対前年比7.7ポイント増)と大幅に増加し、
光ファイバーによるブロードバンド化が進展。」
以下、この情報をもとに、下記の2つのtwitterの調査を私なりに分析しようと思います。
アスキー総研「twitter利用実態調査 」
富士通総研「twitter利用状況調査 」
まず、こう言った社会調査のレポートを見る時に、一番大切だと思うポイントは、
昨日のブログ に 掲載したので、それを参考にしたうえで、
今回の分析をお読みいただければと感じます。
ポイントの1つ目。
誰が誰のために、何の仮説を立て検証しようとした調査なのか。
ポイントの2つ目。
この調査をすることによって、得られる結果は、何に活かされるのか。
では、詳細に解説していきたいと思います。
結論から申し上げます。
◆ アスキー総研の「twitter利用実態調査 」は、PDF資料の最後をご覧になると分かるように
アンケートのデータ販売とMCS広告が出ています。
では、誰が購入するのか。
それは、アスキー総研さんのクライアント・・・当たり前すぎですが。
もう少し詳しく述べれば、twitterの市場性を認識し、競合他社に先駆けて事業化し
先行者利益を得ようとする企業。とでも言えば良いでしょうか。
アスキー総研さんの資料の特徴は、twitter利用者のプロファイル(属性)についての
調査項目が非常に多いのです。
それは、なぜか。
私が営業マンだとしたら、中堅企業に、twitterでの新規事業、
もしくは、マーケティングでのプロモーション戦略をプレゼンするのに、
ぴったりの資料です。
ツイッターのユーザーの29.5%は、東京に集中し、神奈川県と合わせると
4割近くになるのですから、ツイッターでテレビCMを流すとすれば、
この2地域で充分です。・・・・・エリアの特定がなされている訳です。
また、好きな番組は「タモリ倶楽部」なのですから、ツイッター関連で
CMを流すのであれば、タモリ倶楽部のスポンサーになることです。
そして、映画館に恋人と足を運ぶ人も多いですから、TOHOシネマズは
ツイッターで、クーポン券を配信すれば、販促に繋がるかも知れません。
また「ドロリッチなう」の事例が出ていますが、これは週刊「ダイヤモンド」でも
取り上げられましたが、商品の販促ツールとしてのツイッターの将来性を
示唆したデーターです。
また、映画館に空席があれば、今から30分後までに、入館した方は
入場料10%OFFという販促ができます。
注目すべきは、調査結果のポイントとして、1番目に上げた項目が
1.ユーザーの29.5%は東京に集中
2番目は、
2.平均年齢は35.7歳で、もっとも多いのは20代
この2項目が最初に来ています。
「全体の平均twitter利用率は3.7%。」は、2ページ目の下段に
小さく掲載されています。
この平均利用率が、インターネットの利用者数全体の9,091万人の3.7%と
見てよいのであれば、およそ336万人。と言うことです。
調査期間はMCSが2009年11月上旬。アスキー総研は2009年12月上旬です。
この数字も意図的に、大きくは書かれていないと思いました。
◆ 富士通総研「twitter利用状況調査 」
次は、富士通総研さんです。
この資料も当然クライアントさん向けに書かれています。・・・のはずです。
では、どうしてこのようなレポートが書かれているのか。
こちらも結論から言うと、
私が営業担当者だとすると、大企業のクライアントさんから
「最近、ツイッターって、流行ってきてると思うんだけど、
あれって、実際どう?」と聞かれた時に、
「いや~。御社の場合でしたら、もう少し様子を見られてはいかがでしょうか。
まだ、利用率は、全体のインターネット利用者数の8.2%です。
今後、どうなるのか、少し様子を見てから参入されても充分ではないですか。」と
答えるための資料です。
すみません。極めて主観的な表現ですが、そんな気がします。
【調査結果のポイント】として書かれているのは、まず、
* Twitterの認知は70.2%にのぼるが利用している人は8.2%にとどまる。
言葉自体は広く知れ渡っているが、まだ実際に利用している人は
一部に限られている状態である
* Twitterの利用目的は、若年層を中心としたリアルタイムのコミュニケーションと、
40代を中心とした情報収集に大きく分かれる
* マーケティングツールとしてTwitterを活用する企業が増えているが、
企業がTwitterを活用するにあたっては、自社の目的やターゲット、
手法がTwitter利用層とマッチしているか等を見極めて取り組む必要がある
要約すれば、ツイッターと言う言葉は知られているが、実際に利用している人は
少なく、マーケティングのツールとしては、しっかり見極める必要がある・・・と言うこと。
このレポートを書いた人は、ツイッターに対してネガティブに捉えていて、
本当にこれはマーケティングのツールになりうるのか、疑心暗鬼であると言うことです。
調査項目にも、それは現れていて、
1.ツイッターの利用状況。
2.年代別の利用度と認知度
3.性年代別利用率・認知率
4.年代別投稿・閲覧状況
5.年代別アクセス端末
6.年代別アクセス頻度
7.ツイッター利用者の意識
8.有名人のフォロー率
以上のように、この項目の中には、アスキー総研の項目と重なる
質問は少ないのです。
「利用実態調査」と「利用状況調査」なのですから、項目も内容も
結論も違って当たり前です。
ただ、ここで敢えて申し上げなければならないのは、
インターネットの利用者数9,091万人のうちの 8.2%は
富士通総研さんが言われる
「まだ実際に利用している人は一部に限られている状態である。」のか
どうかと言うこと。
ツイッター利用者数 745万人。(9,091万人の8.2%として)
アスキー総研さんが2009年11月上旬~12月上旬に調べた人数が、
3.7%で、336万人だとすると
富士通総研さんが調査した期間:2010年1月18日(月)~20日(水)までに
409万人もの人が、この約1カ月の間に、増えた事になります。
これは、「まだ」なのか、「すでに」なのか。
もし、調査結果のポイントをポジティブに考えて書き換えるのであれば、
「Twitterの認知は70.2%。
利用している人は、すでに8.2%となった。言葉自体は広く認知され、
今後より一層の利用者の拡大も予想される」と
書くことも可能なのではないでしょうか。



