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電子絵本:スプーン一杯ほどのひととき


      

飲み物でもお飲みになりながらゆったり読んでくださいね。



      

このお話しは、水平線の果てを泳ぐカメの上にある、小さな島のものがたり。



      

この島には昔からの言い伝えで、

「 島のどこかにある〈まじっくバード〉のたまごの中に、

 世界で一番大切なものが入っている 」 と、言われていました。


     

ある日の夕暮れ、やんちゃな2匹の犬、

ハッピーとバースデーが浜辺で棒とり競争をして遊んでいました。



      

その時!

2匹の目の前を1羽の鳥が飛び去っていきました。


今まで見たことのないその鳥の美しさに、ハッピーとバースデーの2匹は

しばらく見とれていました。


ブルーの目、七色の尾をもつその鳥を、2匹はもう一度見たくなりました。

しかしその鳥の事は何一つ知りません。

そこで、島の物知りで有名なボブじいさんに聞きに行くことにしました。



 

こうして2匹の小さな冒険が始まりました。



丘の上にあるボブじいさんのところに2匹が着いたときには、

とっぷりと日も暮れてしまいました。


   

2匹が明日、朝日が昇るのを待てずにドアをノックしました。


「 こんこんっ 」





中から出てきたのは、ふくろうのおじいさんでした。




   

ハッピー 「 こんばんはボブじいさん 」

バースデー 「 こんばんは 」


ボブじいさん 「 おやおや、こんな遅うに誰かと思ったら、

          ハッピーとバースデーじゃないかの。

          どうしたんじゃ? 」


2匹はさっき見た鳥の事をくわしく話しました。



ボブじいさん 「 おなかがすいたろう? 中に入りなさい。 」



   

2匹はボブじいさんの奥さんの手作りスープをごちそうになりながら、

鳥の話を聞きました。


その鳥はどうやら〈まじっくバード〉と言って、100年に一度たまごを生む

鳥で、島の言い伝えにある鳥の事でした。



ボブじいさんの奥さん 「 さあさあ、2匹とも今日は遅いから、

                家に泊まって行きなさい。」


そういうと、ボブじいさんの奥さんは、2匹にふかふかのベットを用意してくれました。


ハッピー、バースデー 「 ありがとう 」



    

2匹はベットにもぐり込み、あの鳥にもう一度逢えることを夢見ながら、

眠りにつきました。



    

2匹の待っていた朝日が昇りました。


しかし物知りのボブじいさんも、〈まじっくバード〉の住んでいるところは知りませんでした。


ボブじいさんから、「 わしより長生きしているナマズじいなら

             知っとるかもしれん。行ってみたらどうじゃ? 」


と、教えてもらった2匹は、きのこの森をぬけて、ぽんぽん山を越えたところにある、万年はすの湖に住むと言われる、ナマズじいに会いに行くことにしました。


    

ボブじいさんと、奥さんに見送られて2匹は元気に出発しました。


   

ハッピー、バースデー 「 いろいろありがとう、行って来まーす。 」


ボブじいさん 「 気をつけて行くんじゃぞー 」


2匹は背中に奥さんから作ってもらった昼食のおにぎりを乗せて駈け出しました。




   
きのこの森はうす暗く、お日さまの光が少ししか入って来ません。


2匹は恐る恐る先へ進むと・・・

何やらバタバタという音がしてきました。


ハッピー、バースデー 「 もしかして〈まじっくバード〉の羽ばたく音? 」


2匹は気持ちをはやらせながら、物音のする方へ向かいました。



   

バタバタしていた音は、2匹の友達のきのっぴでした。


きのっぴ 「 あ、ハッピーとバースデー! おなかすいたよー!

        何か食べるもの持ってない? 」



   


きのっぴは昨日家でイタズラをして、お仕置きで晩ごはん抜きということで、

家を飛び出して来たということでした。


2匹は奥さんから作ってもらったおにぎりを全部あげました。



   

おにぎりを全部たいらげたきのっぴは、


「 ありがとう、おかげで生き返ったよ。

 お礼にこのきのこの胞子をあげるよ。

 これを嗅ぐと眠ってしまうから気をつけて使ってね 」


と、きのこの胞子が入ったきんちゃくをくれました。


   

きのっぴが近道をぬけて、森の外れまで見送ってくれました。


きのっぴ 「 今度遊ぼーねー。気をつけてねー。」


ハッピー、バースデー 「 またねー。 」



2匹はきのっぴに〈まじっくバード〉のことを聞きましたが、きのっぴも知りませんでした。




   

ぽんぽん山です。

2匹は急ぎ足で山を駆けのぼって行きます。


2匹は知っていました。

この山にはいつもおなかをすかせて獲物を狙っている、トラのとらの助がいることを。


今までこの山に来て帰らなくなった動物を何匹も知っています。



2匹が山の頂上にさしかかった時、木の陰から大きなトラ、そう、とらの助が現われました。



   

とらの助 「 ガルルルッ、久しぶりの獲物だぜ! 」


ハッピー、バースデー 「 で、出たーっ! 」



2匹は今まで走ったことのない速さで逃げ出しました。



   

しかし、とらの助も必至です。

おなかが背中とくっつく寸前だったので、最後のちからをふりしぼって襲ってきます。



・・・!

ハッピーとバースデーは息があがってしまいました・・・



もうだめだ!! ・・・と思った瞬間、何かが落ちました・・・




   


それは、さっき、きのっぴからもらったきのこの胞子が入ったきんちゃく袋でした。


きんちゃく袋はとらの助の顔に当たって、ぽんっ、と割れました。


とらの助 「 何だこれは? ごほんっ、ごほん・・・」



   


とらの助はぐっすり眠ってしまいました。


ハッピー、バースデー 「 た、助かったー ・・・」


2匹はとらの助が起きる前にその場を立ち去ることにしました。


でも、2匹はおなかをすかせていたとらの助のことが可哀想になり、

何か食べ物がないか探しました。


バースデー 「 ポッケの中にあめ玉がひとつあったよ。これあげよーよ。」

ハッピー 「 うん、そうしよう! 」


2匹はとらの助の鼻元にあめ玉を置いて、万年はすの湖を目指しました。


   



2匹はやっとの思いで万年はすの湖に着きました。



   

ハッピー、バースデー 「 おーい! ナマズじいー! いませんかー? 」


大きな声で呼んでみました。




   

     ばしゃーん


ナマズじい 「 なんじゃー? 」


湖の中からナマズのおじいさんが出てきました。



ハッピー、バースデー 「 こんにちはー 」



2匹はナマズじいに〈まじっくバード〉のことをたずねました。



   


ナマズじい 「 ほう?〈まじっくバード〉を見かけたのか?

         もうそんなに時が経ってしまったのか・・・」


ハッピー、バースデー 「 知ってるんですか? 」


ナマズじいは〈まじっくバード〉のことを詳しく話してくれました。


ナマズじい 「 〈まじっくバード〉は不老不死の鳥で、100年に一度

         たまごを生む。

         そのたまごの中に何が入っとるのかは誰も知らんが、

         いつしか大切なものが入っとるだの、夢が入っとるだのと

         言われるようになった。

         そのたまごを生む時だけ飛び回るらしいの・・・

         ま、100年に一度ということじゃな。 」


ナマズじい 「〈まじっくバード〉ならおぬしらの後ろの大樹のてっぺんに

         住んどるぞ」



   


ハッピー、バースデー 「 えー、この上なのー、とても登れないよー。 」


ナマズじい 「 ふぉふぉふぉ、じゃあいいものをあげようかの 」



   


ナマズじいは、万年はすでできた空飛ぶじゅうたんを2匹に手渡した。


ナマズじい 「 じゅうたんには舵がついとるからそれで操縦するんじゃぞ。

         あと、〈まじっくバード〉のたまごは、欲を持った者があけると

         魔物が出てくると言い伝えがあるから気をつけるんじゃぞ。」


ハッピー、バースデー 「 ありがとうナマズじい! 〈まじっくバード〉に

                逢ってくるよ。 」


2匹ははすの空飛ぶじゅうたんに飛び乗った。



   


じゅうたんは一気に飛び上がった!


大樹木を越え雲の上まで・・・


   


ハッピー 「 このあたりまでこれば〈まじっくバード〉の住んでるところが

        見えるかな?」


バースデー 「 あっ! あれじゃないハッピー!」



ついに! 〈まじっくバード〉の住み家を見つけました。



2匹は〈まじっくバード〉の巣に向かいました。

しかしそこには〈まじっくバード〉の姿はありません・・・



ハッピー、バースデー 「 出かけてるのかなぁ? 」




その時!


ヒューイ!!!



   


2匹の前に〈まじっくバード〉が現れました!


まじっくバード 「 ヒューイ! あなたたちも私のたまごをあけに来たの?

           私は不老不死、死ぬことは無いの、

           だから子孫・・・子供が生まれる必要が無いの。

           たまごからヒナが生まれることはないし入ってないのよ」


ハッピー、バースデー 「 こんにちは、僕たちはたまごじゃなくて、

                あなたをもう一度見たくてここまで来たんです。

                まじっくバードさんはすごくきれいですね。 」


まじっくバード 「 ・・・ 」


まじっくバード 「 ありがとう。 私はいつもこの大樹木の上から

           下の様子を見ているの。 あなたたち2匹は礼儀正しくて

           やさしい犬たちね。 

           欲なんて言葉はあななたちに必要ないわね。

           せっかく来てくれたプレゼントに、特別にこのたまごの

           中身を見せてあげるわ。 」


   


ぴしっ・・・


まじっくバードのたまごが割れていきます・・・


   


ぴし ぴしっ・・・


ぱかっ


ハッピー、バースデー 「 たまごが割れたっ!!! 」


   



その時、2匹の見たものは・・・・・




   


























今日も、ハッピーとバースデーは浜辺で遊んでいます。




2匹がたまごの中に何を見たのか、誰にも話すことはありませんでした。























   



   


このお話しはこれでおしまいです。

2匹が見たものはあなたが想像してくださいね。

それがこの物語の本当のエンディングです。







最後まで読んでくださってありがとうございました。<(_ _)>


この絵本は、当時、僕が彼女(現在は妻)の誕生日に書いてプレゼントしたものです。

なのでハッピーバースデーなのです(^_^;)


今はこの絵本を自分の子供たちが手に取り楽しんでくれます。

まさか、自分の子供たちがこの絵本を楽しんでくれるとは思ってもみませんでした。


未来って分かりませんね。(笑)



最後に、

稚拙でくだらない絵本を最後まで読んで下さった方々に心より感謝申し上げます。

ありがとうございました。




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