2011年8月1日、中国浙江省温州市で起きた高速鉄道事故を受け、著名な女性ジャーナリスト、閭丘露薇(リューチウルーウェイ)氏が「独立した事故調査の重要性」と題した記事を中国のブログサイト・鳳凰博報に掲載した。以下はその内容。 香港では市民に深い関わりのある重大事件が発生すると、専門の調査委員会を設けて事の真相を追求するというのが一般的だ。こうすれば、利権絡みで政府が追求の手を緩めたり、隠ぺいしたりといった不正を防ぐことができる。調査委員会は当然、独立性が保たれている。 1996年に香港嘉利ビルで発生した、41人が死亡、80人が負傷する大火災では、当時の香港政庁が香港の「調査委員会条例」に基づき、独立した調査委員会を発足。火災の原因からその過程、当局の対応の正当性や再発防止策などについて、9カ月に及ぶ調査を実施、最終報告で法改正の必要性を訴え、政府もこれに応えた。 香港ではこのほか、例えば消費者委員会というものもあるが、中国本土のように工商当局の下部組織ではない。法的にきちんと独立した地位が与えられており、香港の消費者の権利と利益が守られている。 鉄道の安全に関していえば、事故が多い欧州では、欧州連合(EU)が加盟国に独立した事故調査体制の確立を求めている。英国では1999年に31人が死亡した事故を受け、2003年に鉄道安全法を制定、独立調査を行う機関として鉄道事故調査局(RAIB)が設立された。米国でも国家運輸安全委員会(NTSB)が同様の役割を果たしている。 調査では原因究明と責任者の処罰が求められるが、それよりも重要なのは落ち度があればそれを改め、2度と同様の事故を起こさないようにすることだ。利益に関係する部門が調査を担当すれば、隠ぺいする恐れがある。自分自身の問題点に気付かない可能性も高い。だが、独立した調査では大量の事実に基づいた分析が行われる。その方が調査結果の信ぴょう性が高まり、国民も納得するのではないだろうか。(翻訳・編集/NN) ●閭丘露薇(リューチウルーウェイ) 中国の女性ジャーナリスト。上海出身。香港フェニックステレビ(鳳凰衛視)の著名な記者で、03年のイラク戦争でバグダッドを取材した唯一の中国人女性記者として一躍名を馳せた。「戦場のバラ」と呼ばれ、中国全土で高い人気を誇る。 ※本記事は筆者の承諾を得て掲載したものです。 【関連記事】
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