もう一週間近く前になりますが、ちょっと遠出して奥多摩に近い五日市まで白萩を見に行ってきました。800年前に創建された真言宗の古刹、大悲願寺。五日市線の線路に近い山裾に二層の山門がひっそりと威厳を持って建っています。この寺には本堂の周りを中心に白萩が群生しており、400年前にこの寺を訪れた伊達政宗がその美しさを褒め、寺の住職に株を分けて欲しいと頼んだ書状も残っています。五日市駅より徒歩15分、瓦葺の塀が延びる趣深い山裾の寺院が姿を現します。境内は山が迫っていて広くはないものの昔ながらの風情を保っています。名物の白萩は満開を過ぎ、散り始めでした。萩は真の見頃というべき時期がほんの2~3日しかなく、あとはすぐに散ってしまいます。秋の七草の筆頭に挙がる美しさなだけに、桜のように移ろいやすさがあります。本堂と白萩。所狭しと白萩が群生しています。萩がここまで育つというのはなかなかないことです。しかも伊達政宗の生きた時代から何世代も子孫がその場所に咲いているのですから立派。最も立派な群生を見せていた部分。通常の萩よりもかなり背が高め。唐破風と白萩。だんだん色があせて後には地に多くの花弁を散らします。色の混じった白萩。ツツジでもこういうことがありますが、絞り強めで色の違いがくっきりでてます。花弁の跡が目に付く白萩。あと4,5日早ければ一番綺麗だったはずですが、前日に大雨が降ってだいぶ散ってしまいました。萩は本当に難しいものです。江戸時代建立の観音堂。彩色のある彫り物に目を奪われます。山門の外では今ちょうど綺麗な彼岸花が群生していました。こちらも咲く時期が短いゆえ堪能できないのが残念なところ。寺の近くの茶畑。奥多摩の入口らしき景色がひろがります。大悲願寺を訪れたあとはついでに小金井のたてもの園へ。ずっと行くのが念願でしたがようやく行けました。写真奥には銭湯王国、足立区の北千住にあった子宝湯の建物が。風呂に入らないのに銭湯に入るというのはなんとも奇妙な感覚でした。直近では池上の有名銭湯・明神湯に今月再び入りに行ってきましたが、あちらと並ぶ位の立派な建物がこの子宝湯。たてもの園には実に垂涎ものの建築物が揃っておりますが、中でも見入ったのが三井家の邸宅。御殿と呼んで良いくらいの立派さでした。邸宅には茶室もあります。三井家は茶道の表千家と懇意にあり、かなり茶の湯に親しんでいたことは三井記念美術館の多くの茶道具蔵品からもよくわかることです。茶室の内部。広間とはいえ、全く遠慮の無い明るさであり、装飾の度を越した派手さも見るとこれは茶室とはもはや呼べないだろうという気が。かなり貴族趣味です。書院の地袋。梅やら杜若が描かれてなんとも落ち着きない感じ。亭主畳側の違い棚。なんか水屋っぽい感じもします。茶席で出した自慢の茶道具をここに飾ったりしたのでしょう。うーん、貴族趣味。三井さんは庶民の茶道とは対極にあったろうことが察せられます。やはり私は文無し茶の湯のほうが共感できますね。ブログ村やっています 押していただけると励みになります
茶道表千家 幻の短期講習会-マボタン
...
