＜中日＞セサル、サヨナラ打で乱戦に終止符…ミス取り返す

　○中日８－７広島●（２８日・ナゴヤドーム＝延長十回）

　両チーム合計４失策の乱戦に終止符を打ったのは中日の新外国人でドミニカ共和国出身のセサル。延長十回にサヨナラ打した。

　五回には手痛い失敗をしていた。広島の攻撃で１死満塁から平凡な二ゴロをはじいて傷口を広げ、４失点のきっかけにした。それだけに十回１死二塁の好機は「ミスを取り返そう」と集中。永川勝の高めの棒球を逆らわずに左越えに運んだ。

　オープン戦の打率は１割１分９厘。規定打席に達した選手で最下位。それでも落合監督が「本番になれば変わってくる」と起用し続けたことが当たった。

　だが指揮官のきょうの采配（さいはい）には首をかしげる場面もあった。落合監督は「勝ち負けを預かっている以上、勝てばいい」と言うが、味方が逆転して勝ち投手の権利目前の伊藤を四回で降ろし、続くバルデスが４失点。オープン戦も今ひとつ調子の上がらなかった岩瀬を同点で起用して、勝ち越し点を許すちぐはぐさ。岩瀬も「勝ったから（自分の失点も）明るく話せる。次にいける」と前向きなのはいいが、すっきりしない勝ちではある。【鈴木英世】

　○…広島の野村監督と大野ヘッド兼投手コーチが監督室から出てきたのは、試合終了から２０分以上たってから。試合後のミーティングは恒例だが、他のコーチが退室しても２人は話し合いを続けた。九回に永川勝が打たれても、ベンチには前日起用した岸本と大島を残すだけになったことが響いたようで、野村監督は「先発（篠田が四回途中で降板）がもたないと、いい投手を前倒しで使わざるを得ない」と嘆いた。



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＜ロッテ＞金泰均、お待たせの初サヨナラ打…「吹っ切れた」

　○ロッテ６－５日本ハム●（２８日・千葉マリン）

　６打席連続三振など苦しんだ分、喜びも大きかったのだろう。来日後、初のサヨナラ打を放って一塁ベース付近でもみくちゃにされた金泰均は相好を崩しっぱなしだった。

　１点を追う九回２死満塁。「リラックスして打つこと」だけを考え打席に入った。マウンドにはこちらも不振にあえぐ武田久。前日に初適時打を放ち、勝負強さを取り戻しつつある金泰均が、真ん中高めの直球を中前にはじき返して２者を迎え入れ、決着をつけた。

　オープン戦は好調だったが、シーズンに入って結果を出そうと気負い過ぎた。凡退を繰り返してブーイングを浴び、「ロッカーから出るのがつらかった」。だが、そこは韓国代表の４番を務めた強打者。「成績が落ちたことで、吹っ切れた」と開き直った。

　「リラックスしてやれ」と韓国の言葉で声をかけてくれた西村監督の期待にようやく応えた主砲。「これからも結果を出して監督の笑顔を見たい」。恩返しはこれからだ。【安田光高】

　○…日本ハムの守護神・武田久が三たびつかまった。２点リードの九回１死から３連打で１点を返され、さらに２死満塁から金泰均に中前２点適時打を浴び、逆転サヨナラ負けを喫した。「調子が悪いわけではない。原因が分かればいいんだけど……」と武田久。前日も２点差を守り切れなかった。昨季は無敗だったが、今季は２１日のソフトバンク戦に続いて早くも２敗目。梨田監督は「精神的に楽なところでリフレッシュさせる。抑えはウルフにさせる」と配置転換を口にした。



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＜オリックス＞木佐貫が移籍後初白星「やっとチーム一員に」

　○オリックス４－１ソフトバンク●（２８日・ヤフードーム）

　昨オフに巨人からトレードで移籍したオリックスの木佐貫が八回途中まで投げ、３安打１失点で移籍後初白星を手にした。昨年は１試合しか登板できず、勝ち星なし。この日のマウンドでは「勝ち方を忘れていたので必死だった」という。終始硬い表情だったが、切れのよいフォークと１４０キロ台中盤の直球がさえ、ソフトバンク打線をほんろう。「どの球種も良くて、『どうしたの俺？』と思いながら投げた」と会心の投球を振り返った。試合後は「やっとチームの一員になれた気がする。これからも戦力として認めてもらえるようになりたい」と満面の笑顔だった。



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