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神戸大学 教養原論「情報の世界」講義(大学院工学研究科 森井昌克 教授)

2006年,2007年度,実際に開講された講義のブログです.今年も講義はありませんが,引き続き「仮想的」に書かせて頂きます.非常勤講師や講演の依頼は、メールにて直接、連絡をお願いします。

Jeff Beck With The Jan Hammer Group Freeway Jam


最近では、
Freeway Jam (Live) by Jeff Beck

「イルカ・クジラ漁」標的にサイバー攻撃、アノニマスが“宣戦布告”…陰湿な嫌がらせ新段階へ
小型クジラやイルカの追い込み漁で知られる和歌山県内の自治体や施設に対し、海外からサイバー攻撃や不正アクセスが相次いでいる。イルカ漁を批判してきた国際ハッカー集団「アノニマス」の犯行とみられ、大半はアクセス数を集中させ、ホームページ(HP)を閲覧できないようにする手口。イルカ漁の地元・太地町役場では昨年、サイバー攻撃が約30件に上った。こうした事態を受け、 ..........≪続きを読む≫

一部の「わかっていないなあ! アノニマスはイルカ漁に反対して、その意思表示のために攻撃しているんだ!」という批判が見られますが、アノニマスというのは一つの組織ではありません。攻撃に加担している人がすべて主義、主張を持っているわけではなく、しかもイルカ漁に反対する根拠についても曖昧さが残り、もはやアノニマスという名前の存在を主張することが根拠になっているように垣間見れます。

 

先日、関西テレビ(関西ローカル、フジテレビ系列)夕刻の情報番組「ワンダー」に出演したのですが、事前の電話での録音出演でした。テレビ出演には、概して4つの形態があります。
1)電話やメールでの主催を受けて、自身のコメントがボードに要約され、顔写真とともに司会者等が代弁、説明する形態
2)電話で司会者等から質問を受けて回答し、その音声が放送される形態。事前の録音の場合と生放送の場合がある。
3)ビデオ出演、つまり放送前にコメント等をビデオで撮って、編集して放映される出演形態
4)スタジオに生出演する形態
今回は2)で事前に電話で質問に回答する形態でした。その場合、音声が流れている背景で、私が話している映像が流れますが、当然、無関係な映像です。事前に撮っていた私の回答している映像が使われます。

今回のテーマはGPSの悪用でしたが、電話でしゃべっている背景では次のような映像が使われました。その一コマです。


実はこの映像、3年前の2013年1月に関西テレビに出演した際の映像です。

2015年6月にも日本年金機構の問題で「ワンダー」に出演しているので、それを使ってくれればよかったのですが…
講義の一つの目標が「携帯電話の仕組み」の理解だとガイダンスにて述べました。総合的な予習として、次のビデオを上げておきます。

一応、高校生対象なので十分理解できると思います。

1/4 WAOサイエンスパーク「携帯電話の不思議を探る~伝わる仕組み、つながる仕組み」


2/4 WAOサイエンスパーク「携帯電話の不思議を探る~伝わる仕組み、つながる仕組み」


3/4 WAOサイエンスパーク「携帯電話の不思議を探る~伝わる仕組み、つながる仕組み」


4/4 WAOサイエンスパーク「携帯電話の不思議を探る~伝わる仕組み、つながる仕組み」
デマツイートにご注意を!「ライオンが逃亡」…ご丁寧にニセ写真付き 「朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだ」など悪質
最大震度7を記録した熊本の地震が発生した14日夜、「ライオンが逃亡した」「朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだ」などの悪質なデマが短文投稿サイト「ツイッター」に投稿され、拡散した。..........≪続きを読む≫
産経新聞だけでなく、どこのニュースサイトを見ても、「いたずら」とか「軽い気持ち」とかいう表現を使っているが、これは一歩間違えば大混乱ではすまず、テロにも等しい危機的な状態を引き起こす可能性があり、断固取りしまり、極めて重い罰を課せるべきです。そうでなければ、それこそ安易に軽い気持ちでリツイートする輩も現れます。

たとえ誰であっても自分の発言に重い責任を負わされる時代であり、それができないならば発言する権利はありません。
先日、神戸大学内での会議(人文、社会、理工系交えて)で主題から離れて「プライバシー」に関して激論:ー)となりました。(当たらずとも遠からずでは)「将来的にはプライバシーは存在しなくなるのでは?」というもの。まあ、私まで参戦するとさらに白熱(人文、社会の先生を中心に)しそうだったので何も言いませんでしたが… 以前にも書いた通りです。

プライバシーの終焉 ー個人情報と自己責任ー


個人情報の流出にとって大きな問題は、その流出自体ではなく、その流出から導出される個人のプライバシーの漏えいである。さらに複雑化させる要因は、そのプライバシーの真偽に関して何の保障も無く、顕在化することである。

そもそもプライバシーとは空間を共有することに対峙する概念であった。場(社会的空間)を仕切ることによって、自分と自分以外の者に対して、情報量的格差を設ける概念である。かつて高度情報化社会と呼ばれたユビキタス社会では、よく言われるように「空間と時間」を超越した社会であり、この情報量的格差を維持することが非常に困難なのである。

「パノプティコン」という概念がある。哲学者ベンサムが考案した刑務所であり、中央にいる監視者から被監視者すべてを常に監視することができるが、被監視者からは監視されているかどうかはわからず、常に監視されているという意識が内面化し、その結果、矯正を促すというものである。ユビキタス社会での、このパノプティコンに相当するものが、データベースであり、そのデータベースとネットワークを駆使することによって、すべての個人は被監視者、すなわちユビキタス社会の囚人となるのである。マーク・ポスターは、その著書「情報様式論」において、「スーパーパノプティコン」と称している。では、監視者はいったい誰なのか。かつては技術、財力を伴った国家を含む権力を仮定することが常であった。DataveillanceというData Surveillanceからの造語を創ったロジャー・クラークが言うようにデータの収集、解析は比較的容易であり、近年、特にその敷居は低くなってきている。つまり、スーパーパノプティコンという概念に至らぬまでも、すでに現在のネットワーク社会においても、監視者と被監視者、すなわち自分と自分以外という区分が崩れている。誰でもが監視者であり、誰でもが被監視者となるのである。インターネットの掲示板において、誹謗中傷の類が問題となっているが、一夜にして、無名の個人が、その他の無名の個人(監視者)によって、プライバシーを露呈され、有名な個人(被監視者)となることが多々ある。いわゆる、「晒す(祭り)」という行為である。ウイリアム・ボガードは「監視ゲーム」という著書の中で、もはや従来のプライバシーという概念は存在せず、新たにプライバシーを「個人情報へのアクセスをコントロールする権利」と定義している。

このようにユビキタス社会において、プライバシーを守ることは困難であり、その対策として、従来の「プライバシーが侵される」という消極的姿勢から、「プライバシーを守る」という積極的姿勢に転換する必要がある。新たなパノプティコンによる従来のプライバシーの崩壊を積極的に意識し、それを恐れ怯えるだけでなく、必要最小限の個人情報の露出を心がけることが必要である。また、個人情報は増殖することから、自分以外が発した自分の個人情報、あるいは個人情報に至らぬとも、類推される可能性が高い情報に関しては敏感になるべきであろう。ボガードが言うように、個人情報、特に自分の個人情報へのアクセスをコントロールする権利を主張し、それを行使する必要もある。この権利の行使こそ、自己責任であり、侵されざるものである。
随分とご無沙汰しております。なかなか忙しく、FBはたまに書いてますが(写真をアップする程度)、ブログは書けておりません。この4月以降、できるだけ書いていきたいと考えています。ZAQのセキュリティ講座も今年度継続しますので、その補足だけでも書こうかと考えています。その他、日々の気になったニュースへのコメントも書いていきましょう(Twだと炎上するかもしれませんので:-)。

では、最初は春ということで、珍しい3人の顔合わせも含めて。