昨夜、例の『たけしの本当はコワイ…』の最後に『大腸がん』が出てきましたね
例によって『危険度診断』がありました。
出血がある
便が細い
何度もトイレに行きたくなる
便秘・下痢を繰り返す
貧血・立ちくらみがする
一個でも該当すると大腸がんの危険性が高いので、大腸検査を受けるべきです、という診断でしたが。
確かに、確かにこの症状は、大腸がん、特に直腸がんのほとんどでみられる症状です
ただ・・・
番組に出てた20代~の全員が、何らかの症状がありましたけど
更に言うなら、おしりから血が出たことない人、便が細くなったことのない人って、どのくらいいるんでしょうね?
つまり、どの症状も、痔をはじめ他の病気(体調)でもよくみられる、ごくありふれた症状だってことです
私としては、この内容には異存はありませんが、それぞれの項目にひとことを付け加えるべきだと思ってます。
「いつも・毎回」
または
「だんだんひどくなる」
という言葉ですね。
ほんとに「がん」や「ポリープ」であれば、出血が「たまに」あるとか、「たまに」便が細くなるなんてことはなく、「毎回便に血がつく」「いつも細い便しかでない」はずなんです。
もっというなら、はともかく、
に関しては、そこまできていれば、早期がんではない可能性が高いかもしれません
ただ。がん、特に大腸がんに関しては
「早期発見すれば、80%以上の確率で治るのではないか」と考えられています。
というのも、大腸がんは、最初からがんであることは少ないんですよ 最初はポリープの形で出てくるものが多くて、ある程度のサイズになると中にがん細胞がまじってくる。そしていつか、全部ががん細胞に置き換わる「大腸がん」になるわけで。
逆に言えば、「ポリープ」のうちに取ってしまえば、100%に近い確率で治るんですよね
「症状が出てから」では、もう進行がんになっている可能性がある。でも、症状が出る前、ポリープの段階で見つければ、なんと「大腸がんは予防できるかもしれないってことなんですよヽ(゚◇゚ )ノ
だから、私たち肛門科医は、言うんです。「せっかくこういう病院(肛門科)にがんばって来たんだから、もうこの機会に大腸検査しておきましょうよ」ってね
だから、たまに血が出るとか、たまに便が細くなる、という程度でガンを思いつめる必要はありませんが。
でも、それをきっかけに検査を受けることで、まだちっちゃいガンやポリープが見つかるかも。それで、上手くいけば、カメラで取りきれちゃうかも(^^)しれないんですよ。
同じく昨日の夜中に、「トップランナー」という番組で、やっぱり大腸がんの話をやってましたね。大腸内視鏡の専門医が、何とか人工肛門にならないような手術をした、というドキュメンタリーでしたけど。
大腸がんのイヤな点は、そのおよそ半数が「直腸」、つまり肛門のすぐ近くにできるってことです。だから、大きくなってからだと手術で「人工肛門」をつけないといけなくなるわけで、それに対する恐怖心が一般の方には非常に大きいと思われます。「大腸がん」と聞いただけで「人工肛門」と思っちゃう方もいらっしゃるくらいには。
でも、だからこそ。症状が強くなってからでは、おっきな手術をしなきゃいけなくなるからこそ。
大腸がんは、早期発見がもっとも大切で、それがかなえば「治せる」がんである可能性がとっても高いんです。
みなさま、チャンスがあればぜひぜひ
内視鏡検査、ツラくないですよ次回はその話の予定です
↓参照↓ 朝日テレビのHPより
http://www.asahi.co.jp/hospital/
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