そして、更にその銀行員の女性は、「さっきから銀行の中に出たり入ったりしていたけど、一体何をしているのですか?」と尋ねて来ました。私は、「済みません、外は寒くて仕方がないので、ここに入らせて頂いてます。実は、ワイフと半年ぶりにアテネ空港で会うことになっていました。でも、アテネ空港のストライキで飛行機が、アテネではなくテッサロニキ空港に行ってしまったようです。空港からはバスで、このシンタグマ広場に到着すると空港で聞いたものですから、こうしてバスが来るたびに外に出て、探しています・・・」と説明をしました。
私の話を聞き終わると、その銀行員は、「そうなの、とっても素敵な話ね、あなたのワイフがどんな人か見たいから、明日会えたら連れてきて。お話を聞いたら心苦しくなってしまったけど、午後9時には銀行を閉めなければならないから」と言いました。私は、その優しい銀行員に、ワイフに会えたら明日来ること、そして待たせてくれたお礼を告げて、お店を出ました。
アテネの街は午後9時を過ぎて、街ゆく人も減り、シンタグマ広場に到着するバスも少なくなってきました。そんな様子を見ながら、もうこれ以上ここにいてもしょうがない、と思い始めました。 外は寒いし、お腹も減ったので近くのコーヒースタンドに入りました。
コーヒーを飲みながら外を見ていたら、おまわりさんが歩いていました。そこで思い浮かびました。
そうだ!おまわりさんに相談してみよう。私は、おまわりさんのところに走って行って、事情を告げました。そしたら、そのおまわりさんは、「近くに観光警察の事務所があるからそこに行ってごらん」と言ってくれました。それを聞いて、希望の灯りがポッと灯ったように、私は小走りにそこに向いました・・・(その5に続きます)