近鉄飛鳥駅前ロータリーのすぐ南、中街道沿いにある祠内に地蔵道標が安置されている。




[南面]_(地蔵右側) 南無阿弥陀佛、(地蔵左側) 左、おかでら 



南側から。背後から来る車のライトを利用して撮影。この場所で中街道(高野街道)から地蔵谷の道と呼ばれる御園・檜前・大根田の各集落へ通じる旧道が東へ分岐していた。




西側から。以前は祠の南側に見瀬池(上の写真の右側)があったが、2019年に埋め立てられ、現在はスーパーマーケット(仮称:スーパーエバグリーンあすか店)が建設中だ(下の写真)。



北側から。写真後方は建設中のスーパーマーケット。






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近鉄飛鳥駅前ロータリーのすぐ南、中街道(高野街道)から地蔵谷の道と呼ばれる御園・檜前・大根田の各集落へ通じる旧道が分岐する地点に小さな祠があり、地蔵道標が安置されている。

自然石に地蔵と蓮台が彫られ、全体的に簡素な彫りだが錫杖と宝珠のようなものも持ち、表情もある。地蔵は少し傾いているように見える。

地蔵の左右に「左 おかでら」「南無阿弥陀佛」と刻まれている。他面の文字などは確認出来ていない。地蔵の厚み(奥行き)は明日香村史下巻(1974年)P83などに40cmとあるが、右側から覗き込んで測ってみたが10数cmほどのように思える。

かつてこの辺りは高取川の谷筋に広がる田園地帯だった。昭和43(1968年)頃に祠の北側にガソリンスタンドができ、昭和50年代には中街道と高取川の西側に住宅や公益財団の建物などが建った。少し前まで祠の南側には見瀬池(下流橿原の村が作った農業用ため池)があり、近年利水が無くなったために長らく管理されずに放置されていた。2019年に見瀬池は埋め立てられ、現在跡地ではスーパーマーケット(仮称:スーパーエバグリーンあすか店)が建設中。

ますます殺風景になっていくなか、往時を偲ばせるものは高取川の流れだけなのだろう。地蔵道標も住みづらそうだが頑張っている。この辺りの中街道は抜け道になっていてとくに朝夕はひっきりなしに車が通る。撮影時には身の危険を感じた。


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・各面の内容 

[南面]_(地蔵右側) 南無阿弥陀佛、
            (地蔵左側) 左、おか(可)でら 
[他面]_不明(未確認) 


寸法 : 高67cm×幅54cm×厚約14cm 


見瀬池北側 (中街道(高野街道・紀路・巨勢路)) 



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