電話で泣かれたの何年ぶりだろう
いつもは私から切るけど
今日は彼に電話を切らせてあげた
最後だし
いないと思うけど俺よりいい男見つけてな
笑ってバイバイ
朝方、一緒に寝ていたワンコが急に鳴り出した雷に怯えて
ぶるぶる震えて私にすがりついてきた
小さな白い体を膝に抱きしめて
大丈夫大丈夫と 彼を想った
仕事をサボって車で泣く彼を抱きしめてあげたかった
私を自分勝手だって責める彼を
電話もLINEもダメと言った私に
頼むから全部取り上げないでくれと懇願する彼を
雷がやんで また人の枕にドカッと横たわりスヤスヤ眠るワンコをしばらく見ていた
守らなくちゃいけない存在
彼には彼の守るべき存在がある
責任がある
もっともっと出世して
早く忘れてね