
最初は
「数枚しかプリントしないので、感光乳剤を使わないで製版できませんか?」
というご質問でした。
詳しく述べるとながながとなってしまいますので、まずは要点だけ

こう言った場合、直接法の感光乳剤を塗布していたら、時間もお金も勿体ない

さて、回答はというと
「そんな都合の良い方法はありません」

感光乳剤の原価は、計算したらお分かり頂けると思いますが、数百円しないと思います。これに、塗布したり露光したりする間の人件費を加算するともっとかかっている事になります。
これより掛からない方法をと言えば「アイロンで接着して使う事が出来る」ニス原紙という商品を使用して頂く事になります。
こっちは、1版あたりの原価は安く済みます。
でも、問題が2点ほど

この商品を切り売りしているところを探さねばならない事

そして、最大のネック

アイロンで貼り付ける事になるので、版に張られている紗が「シルク」その名の通りの「絹」の紗でなければならない事です

古くからシルクスクリーンに携わっている方なら「絹」で張った版をお持ちでしょうが、最近はテトロンの紗が殆どです。アイロンの熱で、シートの糊を溶かすには150~160度必要ですから、テトロンの紗が持つのでしょうか

新たに絹で紗張りをして貰うなんて、コストと時間を余計に掛けてしまい、最初の目的を考えたら本末転倒です

インターネットの情報では「シートをアイロンで貼れば、貴方も簡単にシルクスクリーンができます」なんて事が書かれてあったりしますが、その版を持続的に使う場合以外はお気をつけ下さいね。
紗を破いて貼り替えなければならなくなりますから。
まぁ、刷る枚数によっては、ステッカーを作るカッティングシート(マーキングフィルム)を貼り付けて代用する事位でしょうか

但し、くれぐれも使用するインクで、シートの糊が侵されないか確認してご使用ください

次回は、シルクスクリーンの露光とポジフィルムについて書こうかと
