メマンチンという新しい薬(NMDA拮抗薬)が神経による痛みに有効だという論文がありました。
Asokumar Buvanendran and Jeffrey S. Kroin
Early Use of Memantine for Neuropathic Pain
Anesth Analg 2008 107: 1093-1094.

幻肢痛というのをご存知ですか? 何らかの事故や、病気でやむをえない理由により手や足を切断した後、そのない部分の痛みを感じるという状態で、いくつかの治療法が試みられていますが、決定的なものは今のところありません(以前読んだものに、鏡を使って失ってない側の手や足を映すことによって、頭にそのイメージを視覚的に与えるのが有効、という興味深いものもありました。)

今回の論文は、メマンチンという新しいアルツハイマー治療薬がそういった幻肢痛の痛みに効果がある、というものでした。(幻肢痛の初期に、または切断後幻肢痛に移行するのを予防的に防ぐ効果であり、慢性化しているケースには有効ではないらしいですが。)


この幻肢痛、医学の教科書には出てくるものの、病気に対する認知度もあまり高くなく(医療業界でも)、研究は活発とは言いがたいと思います。一度も見たことのないお医者さんも多いのではないでしょうか。

しかし、アメリカではこの論文のように、幻肢痛をテーマにしたものがちょこちょこでてくるのです。これには、アメリカの「戦争」が大きく影響しています。

ベトナム戦争、現在のイラク、アフガニスタン戦争で負傷した兵士がいるため、幻肢痛の患者さんの数が多いのです。医療の進歩により、以前なら亡くなっていたような重症でも命が助かる場合がありますが、幻肢痛は避けられなかった、というケースもあると思います。

このように患者が多いこと以外のもう一つの研究がさかんな理由として、おそらくアメリカという国の方針があるように思います。傷ついた兵士というのは、国のために自分を犠牲にしたのであって、そういった「英雄」が帰国後痛みに苦しんでいる、という状態は、国としては対策を講じなければならないという考えがあるのだと思います。それは、もちろん兵士たちへの敬意でもあり、国民へのアピールでもあると思います。


昔から、戦争と医学の進歩は密接に関わっているのですが、現在進行中の戦争もそうなんだ、ということを医学の論文から実感させられました。

今まではあまり大統領選挙に関心を持っていなかったのだが、今回は

予備選挙の立候補者のウワサから始まり、2年間興味を持って、追っていました。

もちろん、これからがオバマは大変なんでしょうが、選挙というドラマとしては、映画のような

感動的なエンディングでした。あまりに映画のようなので、現実であることを忘れがちで、度々ふと

現実だと気づいて、より感動する、というのは珍しい感覚でした。


その経過で、日本との違いがいろいろと分かって面白かった。政治のシステムの違いはもちろんのこと、

それをメディアがとらえる姿勢、レイトナイトショウでのパロディなど、カルチャーの違いというものも

感じることができました。


これからのオバマ(第二章)も楽しみです。