桜餅は、餅やあんの味よりも、餅のまわりを包んでいる葉っぱがメインの和菓子と言っていいだろう。

あの葉っぱで包んでいなければ、単なる餅菓子の一つにすぎないし、食用でない葉っぱで包んでいたら、柏餅と同じだ。

単なる餅菓子が、塩漬けの桜の葉っぱで包むだけで、見た目も味わいも上品になるのは不思議やし、最初に食べようと考えた人はナイス座布団一枚やな。

桜餅の発祥地は、東京の向島の長命寺らしい。向島堤の桜の葉っぱを塩漬けにし、花見客に販売したところメガヒット。これが、今の桜餅のルーツらしい。

当時使用された塩漬けの葉っぱは、向島堤の「ヤマザクラ」だったが、現在は向島産は使われておらず、伊豆で栽培されている「オオシマザクラ」が、国内で食用される桜の葉の大半を占めている。