再び土手通り

今日は戻らずに浅草のほうへ

聳えるスカイツリーと浅草の町並みを見やりながら





風情がいい

口さがない人たちは

スカイツリーが浅草の風情を壊したなんて言っているが

僕はそう思わない


僕はこの何ともいえないアンバランス感が

堪らなく好き




そういえば

いつの間にか馬道通り

目前に大きな言問通りが見えてくれば

その一本手前の路地を右折

あとはまっすぐ




優しい笑顔の主人と奥様に

豆かんをお願いし

持ち帰り用にも

豆かん2つ





うんと子供の頃

宇部の銀天街にメトロというケーキ屋さんがあって

母に連れられて、よくみつ豆を喰べた

当時は名前も知らなかった求肥が大好物でいつも最後に取っておいたが

対照的にみつ豆の豆が嫌いで

こんな固くて味のかけらもないもの無くていいのにと思って

いつも最初に片付けた

残すのは何となく母に悪いような気がした

それだけメトロのみつ豆は

僕にとっての御馳走だった



色川先生は舌の上で蕩ける豆と仰った

赤豌豆の豆、こんなに美味しいのか






先生が鬼籍に入って三十年余り

きっと同じ味なんだと思う








今は持ち帰ってきた豆かんを喰べている




豆も美味しいのだが




黒蜜も美味しい

口当たりが上品で甘いのに

その甘さが

しつこくなくて舌に残らない