ノ社の研究論文撤回、滋賀医大発表　責任者辞意

　製薬会社ノバルティスファーマ（東京）の降圧剤ディオバン（一般名バルサルタン）を使った臨床研究について、滋賀医科大は２０日、米国糖尿病学会誌に掲載された論文が撤回されたことを明らかにした。研究責任者だった同大学病院長の柏木厚典副学長（６７）は、同日開かれた臨時役員会で、責任を取り辞任する意向を表明した。

　昨年１０月、この論文に使用されたデータで、患者のカルテの数値と一致しない部分が全体で１０・１％あることが判明。調査の結果、大学側は論文が「恣意（しい）性が否定できず、科学的論文として不適切」としていた。

　一方、柏木氏は、「不正はない」として、再解析したデータを同学会などに提出。取材に対し、「論文の結果は正しいが、データの一部に誤りが多かったことは事実,rmtssp。責任者として、研究に協力してくれた方々や患者に申し訳ない」と話している。再解析データについては、今後、他の雑誌に投稿するという。