侵入者を防ぐための機能としては、オートロックにもそれなりの利点はある。
その利点を生かすも殺すも、入居者自身の心がけ次第なのだ。
まず、入居者全員が、不審者を中に入れないという意識を持つことが第一に挙げられる。
見ず知らずの人があとから付いて入ってこようとしたら、はっきりと断ることが必要だし、宅配便などの配達の場合も、宛名や差出人の名前を確認してからドアのロックをはずすようにしなければならない。
このことは、一人ひとりが注意するより、管理会社や管理組合の話し合いなどを通して全入居者に理解してもらうことが必要だ。
また、入居者相互の意思の疎通も大切なので、お互いに顔を知っておく必要もある。
オートロックの不法侵入の手口としては、暗証番号の盗み見などがあるし、顔見知りに暗証番号を教えておいたために侵入されたというケースもある。
テンキーを押すときには、まわりに不審者がいないかどうかよく注意して、暗証番号が外部の人間に漏れないようにしておきたいものだ。
また、何年も使い込んだテンキーは、よく使う数字のところだけ汚れたり、すり減ったりしてしまいがちだ。
そうすると、0から9までの数字のうち、暗証番号が4桁なら四つのキーが一目でわかってしまうことも考えられる。
こうなると四つの番号の組み合わせを適当に押せば、正しい暗証番号になる確率が非常に高くなる。
また、以前の入居者がその暗証番号を使って侵入するということだってありうるのだ。
そうならないように、オートロックの暗証番号はいつまでも同じ番号を使っているわけにはいかない。
会社や個人宅でオートロックを付けている場合は、こまめに変えるようにしたいし、マンションなどの集合住宅でも管理組合などで話し合って最低でも年に一度は替えておくことが望ましい。
福田典孝(防犯ウォッチャー)