今の自分には、自分と向き合うことが必要だと分かっていながらも、

ひとりでやると、思考に捉われて感情の深いところに入っていけないジレンマがあった。

ずっとモヤモヤモヤモヤしていた。

 

私の母は、幼かった私に、日常的に言葉の暴力を振るう人だった。

「お前のせいで私の人生台無し」

「お前のせいで私は自由になれない」

「お前のせいで私は不幸だ」

今思えばただの毒親だったのだろうけど、

大人になった私の自己肯定感は、地を引きずるような低さだった。

 

数か月前、母が脳梗塞で倒れた。

それから数か月は何を差し置いても母のために病院や実家へ駆け回る日々。

大変だったけど、何かが報われているような感覚があった。

 

「報われている」とは、なにが?

 

初めて、母に何十年と抱いていた罪悪感の正体に気づいた気がした。

私は存在しない方がいい、とは思っていたけれど、結局私は死ねなかった。

母に「死ね」同然の言葉を吐かれた日々、私は生きていたくなかったから

その人生を、苦しめてしまった母のために使いたかった。

 

「生んでもらったので」

「育ててもらったので」

「食べさせてもらったので」

 

だから

 

私のエネルギーも

時間も

労力も

稼いだお金も

すべてすべて全部、

母に差し出し、奴隷のように生き、命果てるまで自分のエネルギーを使い切ったら、

死んでしまいたい。

 

それが私の「本当の望み」だったのだ。

 

その想いに気づいたら、私の中にいるインナーチャイルドの陰に

隠れている生物が見えた。

愛に飢えた餓鬼だった。

怯えて泣いている。

小さな体はガリガリでお腹だけぽっこり出て、ひどい猫背。

醜い姿。人間の姿でない。

でも私だった。

愛の飢えを食欲で満たそうとするけど満たされないんだ。

 

私はその惨めな生物を抱き上げた。

悲しかったね

苦しかったね

いっぱい傷ついてもうボロボロだよね

でももう大丈夫だよって。

 

あなたには癒しが必要だ。

体を休める安心安全な場所と、栄養のあるあたたかい食べ物。

あなたを救えるのは、私しかいない。

 

あなたが大切なんだ、誰よりも一番に。

ずっと気づいてあげられなくてごめんね。