明治製菓プレスリリース 2004年8月3日


 明治製菓株式会社(本社:東京都中央区、社長:佐藤尚忠)は、本年2月9日に製造承認を受け、7月9日に薬価収載されたセフェム系経口抗生物質「メイアクトMS 小児用細粒」(一般名:セフジトレンピボキシル)を本日発売いたしましたのでお知らせいたします。

 メイアクトは1994年の発売以降、優れた抗菌力と高い有効性・安全性で臨床の医師より高い評価を頂いており、発売10年経過後も年々市場シェアは拡大しております。特に市中呼吸器感染症で問題となっているペニシリン耐性肺炎球菌やβ-ラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性インフルエンザ菌を含む呼吸器感染症起炎菌に対して強い抗菌力を有し、錠剤は15菌種42疾患、小児用細粒は16菌種30疾患の適応を取得している広範囲スペクトラムの経口セフェム系抗生物質です。
 今般新発売する「メイアクトMS 小児用細粒」は、従来の「メイアクト 小児用細粒」がカゼインナトリウムを含有していたため、牛乳アレルギーのある患者様への投薬は禁忌であった点を改良し、カゼインナトリウムを無添加にして、牛乳アレルギーの患者様でも服用できるように致しました。また、新製剤となったのを機に、味を従来のオレンジミルク味からバナナ風味へ変更し、さらに服用性を高めました。

 近年、乳幼児を中心に薬剤耐性菌による難治性感染症が年々増加する傾向にありますが、耐性菌を含む小児感染症の治療に有効性が高く、牛乳アレルギーの患者様に対する安全性を確保し、さらに服用しやすくなった「メイアクトMS 小児用細粒」の発売により、当社は感染症領域において、さらなる製品ラインナップの強化・充実が図られるものと期待しております。

注意すべき病原菌
 下記の1,2がお子様の難治性中耳炎、副鼻腔炎の代表的な病原菌です。特殊な細菌ではありませんので風邪の後の二次感染でも一般的に見られます。ただ、アレルギー素因などで鼻汁が止まり難いかったり、アデノイドなどの扁桃組織が弱く抵抗力の未熟な小児が感染すると持続感染化することも珍しくありませんので注意が必要です。

1、Streptococous pneumoniae (肺炎球菌)

  中耳から肺までの気道に広がりやすい細菌ですが、検出されたから肺炎という訳ではありません。
  PISP(ペニシリン低感受性肺炎球菌)PRSP(ペニシリン抵抗性肺炎球菌):PCG(ペニシリン)に抵抗

性のある肺炎球菌です。なかなか死滅しないことが多く、中耳炎が難治化しやすく注意が必要な細菌です。
 BPC(ワイドシリン、オーグメンチン、サワシリンなど)が有効です。

2、Haemophilus influenzae(インフルエンザ桿菌)

 冬に流行するインフルエンザウイルスとは関係ありません。
 BLNAR(ブルナール、β-ラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性インフルエンザ桿菌)
  ニューセフェム系抗生物質のある程度の長期投与が有効です。

「帝京大学の紺野昌俊・名誉教授が代表を務める「肺炎球菌等による市中感染症研究会」は、各地の患者から検出された中耳炎の原因菌を調べたり、病院などにアンケートしたりして、適切な治療法の検討を続けている。1997年に出来たこの研究会には、全国48施設の医師や検査技師らが参加している。これまでの調査で、慎重な使用が求められる抗生物質を長期間処方し続けている耳鼻科医、子供の鼓膜の見方を良く知らない小児科医をいることが分かった。紺野さんは「医師が抗生物質を過信し、患者の微妙な変化を見なくなっているようだ」と話す。
こうした状況を改善するための医師への助言は3つ。
1.抗生物質が効く場合は3日以内に効果が出る。出なければ、もう一度検討する。
2.状態がおかしければ、翌日も治療に来るよう患者にきちんと説明する。
3.小児科医と耳鼻科医の連携を強化する。
患者側にも問題はある。医師の処方を守らず、症状が良くなると薬を飲むのを止めてしまったり、服用回数を減らしたりする。「この約はいつまで飲んだらよいのか。もう一度診察を受けるべきか。患者から医師に問いかけることも必要だ」と紺野さん。
中耳炎の予防策として多くの医師の勧めるものに、鼻の洗浄治療がある。中耳炎など呼吸器感染症の原因菌は鼻腔に集中する。とくに、中耳炎になりやすい2歳以下の子供は1人で鼻がかめず、鼻汁がたまりがちなので、洗浄の効果は大きい。抗生物質の濫用による耐性菌の増加を防ぐことにもなる。
東北労災病院(仙台市)小児科の高柳玲子医長は昨年から耳鼻咽喉科の協力を得、市販の鼻汁吸引器を使い自宅で幼児の鼻汁を吸引し、洗浄する方法を親たちに教えている。
まず食塩20gと重曹5gを1リットルの水に溶かして小さなスプレー容器に入れ、鼻の中に噴霧して鼻汁の粘り気を弱める。そのあとすぐ鼻の穴に鼻汁吸引器を密着させて吸引する。これを1日3回する
昨年1~8月、長引く咳や膿状の鼻汁が出ていた0歳~5歳の子供40人に対し、親に吸引してもらった。23人が2週間続け、いずれも抗生物質なしで症状が明らかに改善した。吸引前には耐性の肺炎球菌が検出された子供も、治療を始めて1週間で菌の検出量が減った。結果が出てから抗生物質を使う。2人の子供に実践している高柳さんは「入浴中や入浴後にやるのが効果的」と話す。
ただ、途中で吸引をやめてしまった子供には、抗生物質を使っても中耳炎になった例もある。「この方法は万能ではないが、抗生物質を減らせる可能性が示された」
と高柳さん。
また、片方の鼻の穴を押しつぶして遠くへ鼻水を飛ばす、いわゆる手鼻をかむ遊びなどで、正しい鼻のかみ方を教えれば、中耳炎の予防になる
抗生物質が効きにくく、一旦治っても何度も再発する子供の急性中耳炎が増えている。風邪を引いたことがきっかけになって熱を出し、中耳炎になるケースがほとんどだが、薬を効かないため、重症化して入院する例も目立っている。肺炎を併発したり、まれには髄膜炎を起こしたりするケースもある。
この春、2歳になる仙台市在住のA子ちゃんは昨年9月、球に熱が出て、急性中耳炎になっていたことが分かった。近くの耳鼻咽喉科医院で鼓膜を切って膿を出してもらい、その後は落ち着いていたが、12月になって風邪をひき、発熱すると、中耳炎が再発している事が分かった。
鼓膜の切開を受け、抗生物質も飲んだが、今度は熱が下がらず、耳を痛がり、症状は悪くなる一方だった。耳鼻科医院から「ここでの治療には限界がある」と東北労災病院(仙台市)の耳鼻咽喉科を紹介され、10日間入院して抗生物質の点滴治療を受けた。
「中耳炎がこんなに治療に時間がかかり、入院までしなければならない病気とは思ってもいませんでした」とお母さんは振り返る。
東北労災病院の末武光子・第2耳鼻咽喉科部長によると、中耳炎単独か中耳炎と肺炎、」気管支炎などを合併して入院した子供の数が1994年は58人だったのが、95年は81人、96年135人、97年95人98年は6月までで97人と増加傾向が続いている。年齢的には2歳以下の乳幼児が約7割を占め、1歳以下と小さい子ほど重症の子が多く、合併症も出やすかった。
末武さんは「中耳炎はこれまで抗生物質が良く効いて治っていたため、外来で簡単に治る病気と認識されていた。それが通用しない例が目立ってきた」と話す。
砂川慶介・北里大学医学部教授(感染症学)も昨年まで勤務していた国立病院東京医療センター小児科で、1995年以前は中耳炎だけの入院例はほとんど無かったのが、その後、次第に入院する例が増えてきたという。96年は同科の入院で中耳炎は1.5%だったが、97年は6.0%に。退院してもまた入院を余儀なくされる例も目立つ。
こうしたケースの原因と見られるのが、中耳炎を起こす原因菌のなかに抗生物質が効きにくい耐性菌が増えてきていることだ。多くの種類の細菌に効くセフェム系などの抗生物質の開発が進み、細菌検査もせずに抗生物質を多用する医師が多いことなどが原因だと指摘されている。
急性中耳炎の原因菌としては[肺炎球菌]と[インフルエンザ菌]が代表的だ。94~97年の東北労災病院で急性中耳炎の治療を受けた6歳以下の患者の耳から検出された菌の分析によると、最も多く検出された肺炎球菌のなかで、耐性菌はゼロで、抗生物質が効く感受性菌が81%、残りがやや効きにくい中間型だった。しかし、95年に耐性菌が初めて検出されると。96年は耐性菌が29%、97年は25%になった。逆に感受性菌は96年以降。30%以下に減り、耐性菌や中間型が大半を占めるようになった。
88年に日本で初めて耐性菌による中耳炎の患者の例を報告した杉田麟也・杉田耳鼻咽喉科院長が周辺診療所の7歳以下の中耳炎患者624人から91年~97年の間に検出した菌を分析した結果でも、この6年で耐性菌が約2倍に上昇していた。
杉田さんによると、耐性菌による難治性の中耳炎の子供の両親や、祖父母が治りにくい蓄膿症になるケースも目立つようになっていると言う。大人に子供に比べて中耳炎にはなりにくいが、同じ耐性菌が大人の鼻腔に感染し、悪さをしているらしい。
「子供ばかりに目がいって、データは少ないが、大人でも耐性菌による肺炎も含めて、治りにくい中耳炎が増えてくる可能性がある」と話している
滲出性中耳炎は子供に非常に多く、3歳で2~3割が罹っている。大人も罹るが、耳がふさがって自分の声がこもり、聞こえが悪くなるため、気分が大変悪くなる。子供はこれらに症状を訴えないので、周囲の人が気づかないと、精神的にも影響が出て、内向的になったりする。
急性中耳炎に引き続いて起こることが多く、痛みが無くなったからと通院を勝手にやめてしまうと、滲出性になりやすい。原因はこのほか、風邪・鼻炎・副鼻腔炎・アデノイド扁桃肥大である。原因の病気が薬で治らなければ、浸出液を取り除くために鼓膜を麻酔して切開する。
治りにくい場合には鼓膜に小さな換気チューブを入れ、中気腔に液が溜まらないようにする。小さな子供では全身麻酔をして、顕微鏡を使用して入れる。アデノイド扁桃も併せて摘出することがある。
ごく少数だが、癒着性中耳炎、耳の奥に真珠のような塊が出来る真珠腫性中耳炎になることがあるので、きちんと治るまで治療を続ける必要がある

【英】pneumococcus infection
【独】Pneumokokkeninfektion

肺炎球菌感染症はレンサ球菌属のグラム陽性双球菌である肺炎レンサ球菌による感染症である.この菌は30~70%の人の上気道に正常細菌叢の常在菌として住んでいる.細菌性肺炎の起炎菌として最も高頻度にみられ,大葉性肺炎を呈していた.今日では抗生物質の使用により頻度は著しく減少したが,耐性菌の形でみられるようになった.肺炎球菌性肺炎pneumococcal pneumoniaでは赤色肝変期に入って赤錆色の痰を出すことでよく知られていた.呼吸器疾患,循環器疾患,アルコール中毒や薬物中毒のある場合および全身衰弱や栄養失調などのある老年者では現在もなおこの感染症がみられている.この菌はまた副鼻腔炎,耳炎,髄膜炎,心内膜炎,心嚢炎(心〔外〕膜炎),腹膜炎,関節炎,骨髄炎,まれには尿路生殖器感染から菌血症*をもひき起こす.肺炎球菌も保菌されていることもあり,その病原性の判断に迷うことがあるが,1, 2, 3, 4, 7, 8, 12 , 14各型の菌は病原性が強い.近年,ペニシリン耐性肺炎球菌penisillin resistant Streptococus pneumoniae(PRSP)の増加傾向が注目されている.小児および成人の化膿性髄膜炎や中耳炎で検出されるが,一般に,ペニシリンGに対するMIC値で区分し中等度耐性株以上が臨床上問題となる.ペニシリン耐性株は同時に種々のβ‐ラクタム剤,TC,EM,RFPなどでも耐性がみられるなどその機序は複雑で,疾患の経過を遷延化している.治療にはカルバペネム系薬剤が用いられる.