そうあれは蒸し暑い夏の深夜





長い黒髪の青白い顔をした大きな女性を乗せたんです





お客さんすいませんねえ
クーラーの調子が悪くて…なんて話しかけるんですが

全くの無言で







で行き先を聞くんですが無言で進行方向を指差すだけなんです









なんか気持ち悪いなあ
なんて思いながら










仕方なく女が指差した方へ走らせました











お客さんこれどっち?
と何回聞いたでしょうか









気づけば人気のない山道を進んでいました











ちょっとお客さんこれ何処へ向かってるの


私は語気を強めて聞きましたが相変わらず女は無言


かと思いきや




すっと右前方を指差し
そこ…

か細い声でつぶやくのです








指差した方向は車1台やっと通れる幅の現在使われてない旧道がありました











ちょっとお客さん勘弁してよ…
私はバックミラーごしに怒鳴ろうとした瞬間









女の鋭く冷ややかで恐ろしい眼光が私に突き刺さり









蛇に睨まれた蛙のように私は固まってしまいました











そして女が先ほどと同じように

そこ…
つぶやきます


その声はもう男のような低い声で私を震えあがらせました









私はもはや抗う事ができなくなり旧道へハンドルを切りました












道はガタガタで車は揺れ蒸し暑さも手伝って私はしばらくすると酔ってしまい
車を止めてしまいました












そして気づけば
なんと後ろの女の姿がありません











私は確認するために車を降りようとドア開けようとしますが何故か全然開きません











ガチャガチャ何度もドアを開けようとしていると










たくさんの手がフロントガラスやらサイドやら
ガラスというガラスにべったりはりついているではありませんかっ



うわああああああああ














その時の1枚


















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車相手に張り手はやめて